
国際社会には、「タックスヘイブン」と呼ばれる税制優遇国がいくつか存在します。南太平洋に位置するバヌアツ共和国もその一つです。しかし現在、バヌアツは地球温暖化による海面上昇と地震という二重の脅威に直面しています。本稿では、矢内一好氏の著書『富裕層が知っておきたい世界の税制【大洋州、アジア・中東、アメリカ編】』から一部を抜粋し、南太平洋諸国の税制とバヌアツに迫る危機についてみていきましょう。
地震と海面上昇の二重苦!バヌアツを襲う“水没リスク”と経済の苦境
日本の南に位置する太平洋には、約15の島しょ・諸島が点在しています。透き通った海に囲まれたリゾート地としても人気のある地域です。しかし近年、これらの国々は共通して地球温暖化による海面上昇の危機に直面しています。
また姉妹書である【カリブ海・欧州編】でも紹介しますが、カリブ海には税制上の優遇措置が受けられるタックスヘイブンが多く存在し、その代表例としてバハマやケイマン諸島が挙げられます。
太平洋島しょ・諸島の地域区分
日本の南の太平洋には、小さな島々が広がっています。これらの地域は、【図表1】の3つのグループに分類されます。
[図表1]太平洋島しょ・諸島の地域区分と人口 出所:『富裕層が知っておきたい世界の税制【大洋州、アジア・中東、アメリカ編】』(ゴールドオンライン新書)より抜粋
このうち、アメリカ属領であるマリアナ諸島(グアム、サイパンなど)とニュージーランドを除くと、ミクロネシア地域は5カ国、ポリネシア地域は5カ国、メラネシア地域は4カ国+フランス領特別共同体となっています。一部を除き、これらの国々に共通する最大の関心事は、地球温暖化による海面上昇の影響です。
