◆クラシック路線組が圧倒的な強さを誇る理由

よく言われるのは、「NHKマイルCは牡馬クラシック路線で足りなかった馬たちの敗者復活戦」というフレーズである。実際に皐月賞で敗れ、日本ダービーに向かわなかった馬が距離を短縮し、その実力を発揮するパターンが多く、過去10年だけを見ても、ロードクエスト、アドマイヤマーズ、ジャンタルマンタル、マジックサンズの4頭が皐月賞の敗戦からNHKマイルCで連対を果たしている。
そんな皐月賞組に匹敵する好成績を残しているのは、牝馬クラシック路線組だ。桜花賞からNHKマイルCに参戦してきた馬は皐月賞組に負けず劣らず好走しており、この距離なら「牡馬=牝馬」と考えてもいいだろう。牡馬か牝馬かを問わず、やはりクラシックを目指すような馬に優位性があるのがNHKマイルCの特徴である。
ただし、今年は桜花賞組がおらず、皐月賞組にしても、アドマイヤクワッズとカヴァレリッツォの2頭だけで、両馬は前走で2桁着順に敗れている。創設以降の過去30回を見ると、皐月賞組は【3-5-5-44】の好成績だが、皐月賞で2桁着順に敗れた馬は【0-0-2-35】。1.3秒以上の差をつけられていた馬は【0-0-0-28】と巻き返すのは困難なことがわかる。カヴァレリッツォはあっても3着までだろう。
◆毎日杯組とファルコンS組に潜む“危険なデータ”
続いて見ておきたいのが、通算【6-3-0-13】と驚異的な成績を残す毎日杯組。クロフネやキングカメハメハ、ディープスカイなどが毎日杯をステップにNHKマイルCを制したが、2011年までは【6-1-0-4】だったのに対し、2012年以降は【0-2-0-9】とかつての勢いはない。今年唯一の出走馬、ローベルクランツにしても2着からの参戦で、かなり厳しい戦いを強いられそうだ。では1番人気が予想されるダイヤモンドノットはどうか。福永祐一厩舎のG1初勝利がかかる同馬の前走は中京1400mのファルコンSだった。同レースからの参戦は通算【2-1-2-27】とまずまずだが、重要なのがNHKマイルCにおける人気順。当日6番人気以下の【2-1-1-21】に対して、同5番人気以内は【0-0-1-6】といまひとつ。
昨年のパンジャタワーも2020年のラウダシオンも9番人気という低評価を覆しての戴冠だった。データ通りならダイヤモンドノットも3着まで。狙うなら200mの距離延長を味方につけられそうな伏兵だが、今年は該当しそうな馬がいない。
3戦2勝のエコロアルバも有力視される1頭だ。2歳新馬、サウジアラビアRCを連勝し、前走の朝日杯FSは0秒3差の4着と健闘した。休養明けはむしろ買いといわれる最近の競馬界だが、NHKマイルCに関してはそれが当てはまらない。前走が2歳G1だった馬は【0-0-0-9】と全滅している。中にはセリフォス(1番人気)やオースミダイドウ(2番人気)、マイネルマックス(3番人気)、ゴンバデカーブース(4番人気)など有力視された馬もいたが、馬券に絡むことができていない。

