日本の富裕層の現状
日本は、富裕層がいる世界第3位の国といわれています。1億円以上の純金融資産を持つ世帯は約140万世帯に達し、相続や国外財産に関する税務問題も増加傾向にあります。今後は、外国人富裕層が日本国内で相続を行う際の税務・法務対応、いわゆる「インバウンド相続」の課題も拡大すると見られます。
人口減少が続くなか、日本では外国人の流入や暗号資産の普及などにより、資産の形態や金融資産の保有者の構成が変化しています。世界の約半数の国に相続税が存在しない現状を踏まえると、相続税と親族法の違いを利用した租税回避が今後さらに複雑化する可能性があります。
野村総合研究所のデータによると、2025年の世帯の純金融資産は以下の通りです。預貯金、株式、債券、投資信託、一時払い生命保険や年金保険など、世帯として保有する金融資産の合計額から負債を差し引いた世帯の純金融資産保有額を区分けしています。
①超富裕層(5億円以上):11.8万世帯(135兆円)
②富裕層(1億円以上5億円未満):153.5万世帯(334兆円)
③準富裕層(5000万円以上1億円未満):403.9万世帯(333兆円)
④アッパーマス層(3000万円以上5000万円未満)576.5世帯(282兆円)
⑤マス層(3000万円未満):4424.7万世帯(711兆円)
①超富裕層と②の富裕層をまとめて「日本の富裕層」と定義しています。なお、これらの分類は純金融資産を基準としており、不動産や自社株式は含まれていません。
富裕層の新しい顔ぶれ
近年は、起業によって巨額の資産を築く「ニューリッチ層」が増加しています。たとえば、メルカリ創業者・山田進太郎氏は総資産1000億円超、ZOZOTOWN創業者の前澤友作氏は株式譲渡で2400億円を得たと報じられています。
かつて国税庁が公表していた「長者番付」は、富裕層監視の象徴的な制度でしたが、IT企業の台頭や暗号資産などの普及により、富裕層の構成は大きく変化しました。
暗号資産で富を築いた「億り人」や、短期間でヒットを生み出すクリエイター型富裕層の台頭も見られます。税務当局は、こうした新しいタイプの資産形成にも敏感に対応する必要があるとされています。
