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富裕層課税はなぜ繰り返されるのか――導入と廃止の歴史を振り返る【国際税務の専門家が解説】

富裕層課税はなぜ繰り返されるのか――導入と廃止の歴史を振り返る【国際税務の専門家が解説】

富裕層を対象とした税制は変更が容易であるため、歴史上さまざまな方法が試されてきました。しかし単に富裕層から多くの金銭を徴収してしまうと、投資を通じ日本経済全体への資金流入に影響を及ぼします。どのように課税するのか、社会を構成する要素の変化から判断する必要があるのです。本稿では著・矢内一好氏のゴールドオンライン新書『世界の税金はどうなっているのか : 富裕層の相続戦略シリーズ【国際編】』から一部を抜粋して富裕層への課税の歴史についてご紹介します。

富裕層への課税強化策――「貯蓄から投資へ」の政策を阻害しないか

富裕層への課税強化を求める声は年々高まっています。法人税や所得税、消費税といった主要税目の増税は、経済への影響が大きく政治的にも難しい一方で、富裕層やたばこに対する課税は比較的導入しやすい分野として、しばしば議論の対象となっています。

富裕層への課税の方向性

富裕層に対する課税は、大きく分けて「財産」に課税するか、「所得」に課税するかで方向性が異なります。主な手法は次の3つです。

●高額な財産そのものに課税する:財産税

●財産から生じる所得に課税する:富裕税

●所得に課税する:二元的所得税(北欧諸国で採用)

「二元的所得税」とは、所得を勤労所得と資本所得に分けて、前者には累進税率、後者には比例税率を適用する制度です。資本所得に対する優遇措置の是非や、金融・証券税制のあり方と密接に関わる仕組みといえます。

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