
北大西洋に位置するイギリス領・バミューダは世界有数のタックスヘイブンとして知られています。日用品の多くを輸入に頼る物価高の国ですが、独自の金融サービスを提供し、各国から多くの富裕層を呼び寄せています。特にアメリカとは「キャプティブ保険」を介した結びつきが強く、金融の聖地といえるでしょう。本稿では、著・矢内一好氏のゴールドオンライン新書『富裕層が知っておきたい世界の税制【カリブ海、欧州編】』から一部を抜粋して、投資によってバミューダを経由するメリットについてみていきます。
バミューダの不思議な魅力 物価高でも富裕層が集まる理由
バミューダは、美しい気候と観光地としての魅力を持つ一方、世界有数のタックスヘイブンとしても知られています。所得税や法人税が課されないことから、富裕層や多国籍企業にとって非常に魅力的な拠点となっています。物価は極めて高いものの、活発な金融活動とアメリカとの経済的な結びつきによって、独自の地位を築いています。
特に「キャプティブ保険※」を活用した保険所得税制や、租税情報交換協定などにより、バミューダは金融サービスにおける重要な役割を担っています。
※ キャプティブ保険:企業が自社のリスクをカバーするために設立する子会社形式の保険会社のこと。キャプティブ保険では、企業が自分で保険会社(キャプティブ)を作って、そこに保険料を支払うことで、自社内でリスクを管理・運用する。
物価高のバミューダに住む富裕層
バミューダは、しばしばカリブ海諸国と混同されがちですが、実際には北大西洋に位置するイギリスの海外領土です。人口は約5万人で、1人当たりのGDPは世界有数の水準にあり、多くの富裕層が居住しています。
温暖な気候に恵まれている一方、水資源に乏しく、野菜などの食品はほぼ輸入に頼っているため、物価は非常に高騰しています。経済の柱は観光と金融であり、アメリカと地理的に近いことから、同国経済とのつながりも非常に強いのが特徴です。
税制面では法人税も所得税もなく、「全所得軽課税国等」に分類されています。日本とは「租税情報交換協定(TIEA)」を締結しており、税務情報の共有が行われています。
