ワスレナグサの名前の由来や花言葉

ワスレナグサの花名の由来となっている、悲恋物語をご存じでしょうか。
中世時代のドイツでのお話です。騎士のドルフは、恋人のベルタとドナウ川を散策していました。美しい青い花が咲いているのを見て、ベルタのために摘み取ろうとした彼は、あろうことか足をすべらせ、そのまま川に落ちてしまったのです。川の流れにさからい、岸辺にたどり着こうともがくも虚しく、最期を悟ったドルフ。力を振り絞って摘み取ったその花を岸辺へ投げて「私を忘れないで!」とベルタに呼びかけたのち、その姿は見えなくなりました。残された恋人のベルタは、彼が残した最期の言葉をこの花に名付け、ドルフの墓前に捧げたといいます。この悲恋物語から、英名も「forget me not」と名付けられ、日本にも「勿忘草(わすれなぐさ)」と伝わりました。

このようなストーリーがあることから、ワスレナグサの花言葉には、「私を忘れないで」「真実の愛」「思い出」などがあります。
ワスレナグサの品種

ワスレナグサは一般的にはムラサキ科ワスレナグサ属全般の呼び名ですが、厳密にはヨーロッパ産のミオソティス・スコルピオイデス(Myosotis scorpioides)を指します。ここではワスレナグサの代表的な品種を見ていきましょう。
ミオソティス・スコルピオイデス(Myosotis scorpioides)

狭義でのワスレナグサは、ミオソティス・スコルピオイデスです。水辺を好むことから、「ミズワスレナグサ(水勿忘草)」とも呼ばれています。前章で紹介した悲恋物語に登場するのも、ミオソティス・スコルピオイデスです。花色は淡いブルー、花の中心は黄色。花はやや小ぶりです。
ミオソティス・シルヴァチカ(Myosotis sylvatica)

ヨーロッパ~アジアが原産地。和名はエゾムラサキといい、日本でも自生する姿が見られるようです。多くの品種の中でも草丈は高いほうで、50cmほどになります。
ミオソティス・アルペストリス(Myosotis alpestris)

ヨーロッパのアルプス山脈やピレネー山脈、バルカン半島などが原産地。山地や高冷地の草原や林の中で自生しているのが見られます。草丈は10~20cmくらい。日本ではノハラワスレナグサと呼ばれています。
‘ミオマルク’Myosotis ‘Myomark’
従来種に比べて大きな花が咲く品種。咲き始めはピンクの花色が、時間の経過とともに紫、淡い青へと変化するのが特徴です。花つきがよく、開花期には華やかな雰囲気を楽しめるので、ブルーガーデンにもぴったりです。
‘ドワーフブルー’ Myosotis sylvatica ‘Dwarf Blue’
エゾムラサキ(Myosotis sylvatica)の改良品種。小ぶりなサイズで、穂のように咲く花の姿が特徴です。花は小さめですが花つきがよく、たっぷりと咲いてくれます。コンパクトなので花壇や寄せ植えにもおすすめです。
‘ブルームッツ’
ミオソティス・アルペストリス(Myosotis alpestris)の改良種で、紫がかった青色が上品な印象を与えます。ワスレナグサのなかでは早咲きで、早春が開花期です。草丈はやや高く、50cm程度まで伸びます。切り花にも使えるため、さまざまな場面で楽しめる花です。
「ビクトリア」シリーズ
欧州~アジアが原産、エゾムラサキ(Myosotis sylvatica)の改良品種。株がコンパクトで扱いやすく、鉢植えや花壇にぴったりです。多年草ですが、日本の厳しい暑さでは管理が難しいため、二年草として扱われることもあります。
