遠方の実家や空き家は“何度も通わなくていい対策”が重要

「空き家の雑草」がリスクであることは分かっていても、家から離れた場所の土地など、頻繁に手入れをすることが難しい状況にある場合も多いことでしょう。
そこで、遠方の実家や空き家は、何度も通わなくても済むよう、“一度の手入れで長く効く”雑草対策がポイント。そのためには、草むしりだけでなく、雑草対策の資材を上手に活用するのがおすすめです。
<資材を活用した空き家の主な雑草対策>
| 対策方法 | 持続性 | 手間 | 費用感 | 手軽さ |
| 除草剤 | 短期~中期 | 低 | 安価 | ◎ |
| 防草シート+砂利 | 中期~長期 | 中 | 中程度 | 〇 |
| コンクリート化 | 半永久 | 低 (施工後) | 高額 | × |
除草剤の散布(短期的・手軽)

- メリット: 即効性があり、広い範囲も手間なく短時間で処理が可能。
- デメリット: 持続期間は長くても1年程度。周辺の植木や隣家の庭木を枯らすリスクに注意。
- 手間: 低(散布するだけ)
- 費用: 低(数千円〜)
- ポイント:商品によって持続期間が異なるので、用途に合わせて選択を。
最も実践しやすいおすすめの方法が、手軽に対処できて効果も期待できる除草剤。散布するだけで手間なく対処でき、即効性もあるため、コストを抑えて対策することができます。除草剤にもさまざまなタイプがありますが、今ある雑草を枯らすだけでなく、土壌を処理して雑草の発芽を抑制する成分を含むものを選ぶことで、効果が長く持続します。
ただし、除草剤の効果期間は長くても1年程度。効果が持続するよう、まきなおす必要があります。除草剤で雑草を処理した後、より効果が長く続く防草シートを敷くなど、ほかの対策と併用するのもおすすめです。また、使用の際は近隣に除草剤が流れないよう、傾斜地での使用は避けるなど配慮しましょう。
【決定版】春の1回の散布で最長1年間「草むしり」から解放される! 草退治史上※最強除草剤で叶える“タイパ抜群”雑草知らずの庭管理防草シート + 砂利(中長期・手軽)

- メリット: 一度施工すれば数年〜10年ほど効果が持続。砂利の音で防犯効果も期待。
- デメリット: 初期費用や準備が必要。シートの隙間から雑草が生えることも。
- 手間: 中(整地とシート敷きが必要)
- 費用: 中〜高(1㎡あたり数千円。DIYならコストを抑えられます)
- イント:品質によってはすぐに突き破られてしまうため、透水性のある高密度なシートがおすすめ。
中長期的に対策でき、バランスの取れた対策方法が防草シート。商品タイプによりますが、1度シートを敷いてしまえば、数年~10年程度は効果が持続し、雑草管理の手間が大幅に軽減します。整地などの事前準備は必要ですが、自分でシートを敷くこともできるため、コストを抑えて対策することも可能。ただし、シートに隙間があるとそこから雑草が生えてくるため、より確実に施工するには業者に依頼するのもおすすめです。防草シートの上に砂利を敷けば、防草シートを隠して美観が向上するだけでなく、シートを固定したり、踏むと大きな音が鳴る防犯砂利であれば防犯効果も期待できます。
固まる土・コンクリート(長期的・完全防御)

- メリット: ほぼ完全に半永久的に雑草をシャットアウト。
- デメリット: 費用が高い。照り返しで夏場に温度が上がりやすい。撤去する際に多額の費用がかかる。
- 手間: 高(業者への依頼が一般的)
- 費用: 高(1㎡あたり1万円〜)
- ポイント: 資産価値や解体費用に影響するためよく検討を。
雑草とは永遠にお別れしたい! という場合は、コンクリートや固まる土などを用いて、物理的に地面を覆い尽くしてしまうというのも一案です。基本的に業者に依頼する形になるので手間もかからず、ほぼ完全に雑草の発生を予防することができる“奥の手”ですが、施工には費用が必要になります。また撤去にも費用が掛かり、将来的に売却や解体を考えている場合は資産価値や解体費用にも影響するため、事前に慎重に検討する必要があります。
このほか、クラピアなど雑草をしのぐ繁殖力を持つグラウンドカバーを取り入れて雑草を抑制するという手もありますが、管理しきれないと雑草の繁茂と同じ結果を招きかねないため、慎重に判断するのがおすすめです。
塩をまくのはNG対策!
雑草対策に、塩をまく方法があると聞いたことがある人もいるかもしれませんが、これはNG。塩をまくと確かに雑草は枯れますが、塩分によりコンクリートの基礎や金属部分などが腐食し、構造物の劣化の原因になる恐れがあるほか、雨で溶けて流れれば、隣家の植物や畑を枯らしてしまうことにもつながります。また、塩は分解されることなく半永久的に土壌に残り続け、除去も困難なため、今後植物を育てることができない「枯れた土地」になってしまいます。さらに、土地を売却する際、塩分濃度が高いと土壌汚染とみなされ、資産価値が著しく下がったり、浄化費用を請求される可能性もあります。
塩による除草剤も市販されていますが、リスクを考慮したうえで、将来的に植物を植えることがない墓石周辺などの使用にとどめるのがおすすめです。
長く効く除草・抑草資材を活用して管理負担を減らそう

空き家の雑草放置は、単なる景観の問題だけではありません。公的な資料においても、雑草の繁茂は「管理不全のサイン」と位置付けられ、防犯性の低下や犯罪誘発のリスクと考えられています。
遠方の実家や空き家を維持するためには、以下のポイントを意識した対策を検討しましょう。
- 「管理されている」という外観の維持:定期的な除草や防草シートの活用などにより、周囲に管理の意思を示す。
- 物理的な死角の解消:見通しを確保し、不法投棄や不法侵入を未然に防ぐ。
- 中長期的な視点での資材選び:頻繁に通えない場合は、持続性の高い対策で負担を軽減する。
適切な雑草対策を行うことは、近隣トラブルや資産価値の低下を防ぐだけでなく、地域の安全を守ることにもつながります。ご自身の状況に合わせた無理のない管理方法を選び、健やかな状態に保ちましょう!
参考
令和5年住宅・土地統計調査(総務省)
https://www.stat.go.jp/data/jyutaku/2023/pdf/kihon_gaiyou.pdf
令和4年空き家政策の現状と課題及び検討の方向性(国土交通省)
https://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/content/001518774.pdf?utm_source=chatgpt.com
令和7年の犯罪情勢(警察庁)
https://www.npa.go.jp/publications/statistics/crime/situation/r7_hanzaijyousei__.pdf
令和3年管理不全土地対策に関する調査について(空き地条例関係等)(国土交通省)
https://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/content/001385945.pdf
NPO法人 空家・空地管理センター
https://www.akiya-akichi.or.jp/
ALSOK
https://www.alsok.co.jp/
スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
