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「骨を強くするはず」カルシウムサプリの“落とし穴”。心筋梗塞リスクが約3割増の報告も

「骨を強くするはず」カルシウムサプリの“落とし穴”。心筋梗塞リスクが約3割増の報告も

ドラッグストアの棚に「骨を丈夫に」「カルシウム不足が気になる方へ」と書かれたカルシウムのサプリを一度は見たことがありませんか?

ドラッグストア
※画像はイメージです(画像生成にAIを利用しています)
牛乳より手軽で、薬ほど大げさでもない。骨や健康のための「保険」として、優秀に思えます。実際、私の周りにもカルシウムサプリを使用している友人がいます。理由を聞いても「食事で充分にとれていなさそうだから」「骨や身体に大切だから」といった漠然とした感覚で使用していました。おそらく、多くの人も同様の理由ではないでしょうか。

岡本宗史
医師の岡本宗史
当然、カルシウムは身体に必要な栄養素。本当に不足すれば骨にも筋肉にもよくありませんない。ただ問題は、「食事で摂るカルシウム」と「錠剤で一気に摂るカルシウム」を同じものとして扱っていいのか、という点。骨によかれと思って続けている習慣が、心臓や血管には余計なお世話になる可能性が長年の研究から分かってきました。

◆カルシウムサプリで心筋梗塞リスクが上がる?

ニュージーランドのオークランド大学などの研究チームは、カルシウムサプリと心筋梗塞などの関係を調べた複数の試験をまとめて分析しました。参加者をくじ引きのように「カルシウムを飲む群」と「偽薬を飲む群」に分けて比べる、医学では質の高い研究方法です。

対象は主に1日500mg以上のカルシウムをサプリで飲んでいた人たち。約1万2000人分のデータをまとめたところ、カルシウム群ではなんと心筋梗塞のリスクが約3割増えていました(※1)。

もちろん勿論、「飲んだら必ず心筋梗塞になる」わけではない。ただ、カルシウムサプリは健康に気を使う人ほど長く飲みがちです。1人あたりのリスク上昇が小さくても、飲んでいる人が多ければ無視できません。また、ビタミンD入りなら安心とも言い切れず、一緒に飲んだ場合でも心臓・血管の病気が増える可能性が議論されています(※2)。

◆肝心の骨折予防効果も、思ったほど強くない

では、肝心要の骨折の予防効果はどうだったのでしょうか。実は、ここも微妙な結果です。

2015年にBMJに掲載された大規模なレビューでは、カルシウムサプリは骨折全体を11%、背骨の骨折を14%減らすという結果でした。一見悪くなさそうですが、寝たきりにつながりやすい太ももの骨折や、手首の骨折では、明確な予防効果はありませんでした。さらに、研究の質が高いものだけに絞ると、どの部位の骨折にも明らかな効果は認めなかったとのことです(※3)。

同じ論文では、約5年半サプリを飲んで「骨折を1件防ぐ」ために必要な人数は77人。つまり77人が毎日飲み続けて、ようやく骨折を1件防げるかどうかという計算です。別の研究でも、カルシウムを増やしたときの骨密度の上昇は0.7〜1.8%程度。効かないとは言いませんが、「とりあえず全員が飲むべき」と言えるほどの効果でもありません(※4)。


配信元: 日刊SPA!

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