◆糖尿病の人は特に注意したい
さらに気になるのが、糖尿病のある人。2024年の医学誌『Diabetes Care』に掲載された研究では、平均年齢56歳の約43万人を、心臓・血管の病気については中央値8年、死亡については中央値11年追跡しました。その結果、糖尿病のある人でカルシウムサプリを習慣的に使っていた群は、心筋梗塞や脳卒中などの血管の病気の発症リスクが34%、それらによる死亡リスクが67%、すべての死亡リスクも44%高いという結果でした(※5)。
これは観察研究なので、「サプリが原因」と断定はできません。もともと健康不安がある人ほどサプリを飲んでいる、という影響もあるでしょう。ただ、糖尿病の人はもともと動脈硬化や腎機能低下のリスクがあります。そこに必要以上のカルシウムを摂取することで動脈硬化に拍車がかかり、その延長線にある心筋梗塞などの病気のリスクが高くなったとも考えられるため、漠然とした長期間の使用には注意を払うべきです。
◆サプリは血中カルシウムを急に上げやすい
「ではカルシウム自体が悪いのか」といえば、そうではありません。問題は摂り方です。魚、乳製品、大豆などから摂るカルシウムは、食事全体の中で比較的ゆっくり吸収されます。一方、サプリはまとまった量が短時間で入るため、血液中のカルシウム濃度が急速に上がりやすい。行き場を失った大量のカルシウムが血管壁に沈着することで、心臓や血管に負担をかける可能性が考えられています。
サプリは「健康食品だから安全」では決してなく、毎日飲むなら、薬に近いものとして扱うほうが賢明かもしれません。

