ライラックの栽培12カ月カレンダー
開花時期:4〜5月
植え付け・植え替え:11月〜翌年3月
肥料:3月頃、6月頃
剪定:11月〜翌年3月
ライラックの栽培環境

日当たり・置き場所
【日当たり/屋外】日当たりと風通しがよい場所を選びます。半日陰でも育ちますが、あまりに暗い場所だと花つきが悪くなるので注意。
【日当たり/屋内】屋外での栽培が基本です。
【置き場所】暑さに弱いため、暖地では西日が当たらない場所を選び、夏は半日陰に移動するのもよいでしょう。また、水はけ、水もちがよく腐植質に富んだ土壌を好みます。
耐寒性・耐暑性
夏の暑さには弱く、暑さや乾燥で葉が傷んで木が弱ることがあります。暖地では鉢植えにして夏は涼しい半日陰に移動するなど、暑さ対策が必要です。寒さには強く、マイナス40℃程度にも耐えるため、冬越し対策は特に必要ありません。
ライラックの育て方のポイント
用土

【地植え】
植え付けの2〜3週間前に、直径・深さともに50㎝程度の穴を掘りましょう。掘り上げた土に腐葉土や堆肥、緩効性肥料などをよく混ぜ込んで、再び植え穴に戻しておきます。粘土質など水はけの悪い土壌であれば、腐葉土や堆肥を多めに入れるとよいでしょう。土に肥料などを混ぜ込んだ後にしばらく時間をおくことで、分解が進んで土が熟成し、植えつけ後の根張りがよくなります。
【鉢植え】
花木用にブレンドされた、市販の培養土を利用すると手軽です。
水やり

水やりの際は、木が蒸れるのを防ぐために枝葉全体にかけるのではなく、株元の土を狙って与えてください。
真夏に水やりする場合は、気温が高い昼間に行うと、すぐに水の温度が上がってぬるま湯のようになり、木が弱ってしまうので、早朝か夕方の涼しい時間帯に行うことが大切です。
また、真冬は、気温が低くなる夕方に与えると凍結の原因になってしまうので、十分に気温が上がった真昼に与えるようにしましょう。
【地植え】
植え付け後にしっかり根づいて枝葉をぐんぐん伸ばすようになるまでは、乾いたら水やりをしましょう。根づいた後は、ほとんど不要です。ただし、晴天が続いてひどく乾燥がする場合は水やりをして補いましょう。
【鉢植え】
日頃から水やりを忘れずに管理します。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。枝葉がややだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサインです。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイント。特に真夏は高温によって乾燥しやすくなるため、朝夕2回の水やりを欠かさないように注意します。冬は休眠し、表土も乾きにくくなるので控えめに与えるとよいでしょう。
肥料

【地植え・鉢植えともに】
3月頃に緩効性肥料を与えます。生育期を迎える前に肥料を与えることで、新芽を出すエネルギーとなり旺盛に枝葉を広げることにつながります。また、開花後の6月頃にお礼肥として、リン酸、カリ成分を多く含んだ緩効性肥料を与え、土によくなじませましょう。
注意する病害虫

【病気】
ライラックの栽培で発生しやすい病気は、うどんこ病や黒星病などです。
うどんこ病は、カビによる伝染性の病気です。葉、新梢、つぼみに発生しやすく、表面が白く粉を吹いたような状態になります。放置するとどんどん広がって光合成ができなくなり、やがて枯死してしまいます。窒素肥料を施しすぎたり、枝葉が繁茂しすぎて風通しが悪くなったりしていると、発病しやすくなります。うどんこ病が出たら病気の葉を摘み取って処分し、適用する殺菌剤を葉の表と裏に散布して、蔓延するのを防ぎましょう。
黒星病は、カビによる伝染性の病気です。雨が多い18〜20℃の環境を好むため5〜7月に発症しやすく、葉などに被害が現れます。黒っぽくて丸い斑点が全体に広がっていくのが特徴です。日当たり、風通しが悪いと発病しやすくなるので、込み合っている枝などはすかすように剪定して発生を防ぎましょう。病気にかかった後に剪定した枝や落ち葉は、地中に残らないように処分することも大切です。また、適用する殺菌剤を葉の表と裏に散布して防除します。
【害虫】
ライラックの栽培で発生しやすい害虫は、アブラムシやカイガラムシなどです。
アブラムシは、3月頃から発生しやすくなります。2〜4㎜程度の小さな虫で繁殖力が大変強く、発生すると茎葉にびっしりとついて吸汁し、木を弱らせるとともにウイルス病を媒介することにもなってしまいます。見た目もよくないので、発生初期に見つけ次第こすり落としたり、水ではじいたりして防除しましょう。虫が苦手な方は、スプレータイプの薬剤を散布して退治するとよいでしょう。
カイガラムシは、ほとんどの庭木に発生しやすい害虫で、体長は2〜10㎜ほど。枝や幹などについて吸汁し、だんだんと木を弱らせていきます。また、カイガラムシの排泄物にすす病が発生して二次被害が起きることもあるので注意。硬い殻に覆われており、薬剤の効果があまり期待できないので、ハブラシなどでこすり落として駆除するとよいでしょう。
ライラックの詳しい育て方
苗木の選び方
苗木を購入する際は、幹や枝が太くどっしりとしたもの、葉の色艶がよく、病虫害の痕がないものを選ぶとよいでしょう。
植え付け・植え替え

ライラックの植え付け・植え替え適期は、休眠期の11月〜翌年3月です。
【地植え】
土づくりをしておいた場所に、苗の根鉢よりも一回り大きな穴を掘って植え付けます。しっかりと根づくまでは、支柱を立てて誘引し、倒伏を防ぐとよいでしょう。最後にたっぷりと水を与えます。
庭植えの場合、環境に合って健全に育っていれば、植え替えの必要はありません。
【鉢植え】
鉢で栽培する場合は、10号以上の鉢を準備します。鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1〜2段分入れてから花木用の培養土を半分くらいまで入れましょう。苗木を鉢に仮置きし、高さを決めます。水やりの際にすぐ水があふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2〜3㎝下を目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。しっかりと根づくまでは、支柱を立てて誘引しておくとよいでしょう。最後に、鉢底から水が流れ出すまで、十分に水を与えます。一年を通して日当たり、風通しのよい場所に置いて管理しましょう。
鉢植えの場合は、成長とともに根詰まりしてくるので、2〜3年に1度は植え替えることが大切です。植え替え前に水やりを控えて土が乾いた状態で行うと、作業がしやすくなります。鉢から木を取り出し、軽く根鉢をくずして新しい培養土を使って植え直しましょう。
剪定

ライラックは7〜8月に翌年に咲く花芽が作られるので、剪定は開花後すぐに行います。
ライラックは自然に樹形が整うため、刈り込んだり、大きく切り戻したりというよりは、込み合いすぎている部分を切り取って風通しをよくすることを目的とした剪定を基本にするとよいでしょう。地際から立ち上がっている「ひこばえ」は元から切り取ります。込み合いすぎている場合に切り取る枝は、木の内側に向かって伸びている「逆さ枝」、垂直に立ち上がっている「立ち枝」、勢いよく伸びすぎている「徒長枝」などを選ぶとよいでしょう。これ以上大きくしたくない場合は、大体のアウトラインを決めて、そこからはみ出している枝を、分岐点までさかのぼって切り取ります。
また、市販されているライラックの苗木は接木苗が多く、時に台木から枝が伸びることがあります。そのままにしておくとライラックの勢いが衰え、台木が成長してしまうため、見つけたら付け根から切り取りましょう。
冬越し

ライラックは寒さに強いため、一年を通して戸外で管理できますが、雪が多く降る地域では雪の重みで枝が折れることがあるため、対策が必要です。地植えの場合は、雪囲いをして枝を守りましょう。鉢栽培の場合は、雪が積もらない場所に移動しておくのも一案です。ただし、冬の間に寒さにあわないと翌春に開花しなくなるので、室内などの暖かい場所には置かないようにしましょう。
ライラックの育て方のポイントを押さえて花と香りを楽しもう

寒さに大変強く、大きな花房をたくさんつけるダイナミックな花姿が魅力のライラック。ヒメライラックの品種を選べばコンパクトに樹形がまとまるので、鉢栽培にも向いています。香りも素晴らしいライラックを、庭やベランダに迎え入れてはいかがでしょうか。
Credit 文 / 3and garden
スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
