夏の庭の困りごと第1位「植物が暑くてバテる・枯れる」
昨年は、あまりの暑さに、これまで大丈夫だった植物も弱ったり、枯れたりしたという声が多く聞かれました。地植えの植物でも次第に暑さ対策が必要になってきています。
A. 植物選びで暑さ対策を。宿根草は秋植えがおすすめ
<宿根草>

夏に咲く宿根草の多くは、暑さには強いものが多いですが、春に入手した苗はまだ根が十分に張っておらず、地植えにしても暑さで枯れる場合があります。ポットのまま、残暑が終わる秋まで待って地植えにすると、冬越しした株は深く根を張り、夏越しもしやすくなります。その際、夏の間の水管理はしっかりと。

<一年草>

一年草は暑さに強いという特徴とともに、強い雨にも耐えられるものを選びましょう。ラベルに「耐雨性」という表記があるものが該当します。
<樹木>

木陰ができるような樹木を植栽するのがおすすめ。小さな庭でも、ニシキギなら最大でも樹高3mで、秋は見事な紅葉も楽しめます。高木になるものでも、剪定でコントロールできます。その場合は生育がゆっくりのものを選ぶと、メンテナンスがラクに済みます。アオダモは樹高10m以上になる樹木ですが、生育がゆっくりで株幅がスリムなのでおすすめです。
<マルチング>
土壌資材でマルチング(表土を覆う)すると、乾きや暑さを緩和できます。
<グラウンドカバー>

グラウンドカバーも庭の暑さ対策に有効です。地表が緑で覆われていると、地温が上がりにくく、他の植物が暑さでバテるのを防いでくれます。植物は「蒸散(じょうさん)」といって葉裏から水蒸気を出しているので、天然のミストで周辺温度を下げる効果もあります。
<肥料と活力剤>
夏は肥料が高温で溶け出しやすく、効きすぎることがあるので、固形肥料は控えめに。植物も猛暑で生育が緩慢になり、春ほど肥料分を吸い上げることができないため、液肥も過多になりがちなので注意。植物の元気がなく心配なときは、「肥料」ではなく「活力剤」を使うのがおすすめです。活力剤は肥料やけの心配がありません。
5つの悩みを一挙に解決するプロの技
上記5つの悩みをまるっと一挙解決するのが、「ノンストレスガーデン」。このガーデン工法を考案した、かたくり工房所属の造園家・阿部容子さんは、「ノンストレスガーデン工法は、年齢とともに庭づくりの体力がなくなり、植物の世話ができないとお客さまから相談されたことがきっかけです」と話します。

ノンストレスガーデン工法とは
ノンストレスガーデン工法とは、除草して整地した後、全面に防草シートを施工。植栽箇所にスポット的に植え込み穴をあけて植栽することで、雑草を極力生やさず、育てたい草花だけを育てられるというもの。防草シートの上はバークチップを敷き詰めマルチングを施すので、防草シートは見えなくなります。

ノンストレスガーデンは雑草取りから解放されるだけでなく、防草シートがマルチング効果を発揮するので、土壌の乾きが抑えられ、コガネムシの幼虫など土中に潜って食害する害虫被害も防ぐことができます。結果的に、必要な作業が大幅に減少し、夏のガーデニングがとってもラクに。
ノンストレスガーデン工法の6つのポイント
施工のポイントは6つ。正しく施工しないと、雑草が入り込んだり、シートがめくれ上がって大事な草花がダメージを受けることがあるので注意が必要です。
① 除草剤で既存の雑草を駆逐し、土壌を一旦リセットする。
② 整地の際に排水勾配を1%つける。
③ 植栽エリアの土壌改良をする。有機物は分解されて次第にシートが沈み、雑草のタネが入る隙間ができやすくなるので配合を注意。

④ 雑草のタネが入り込んだり、風でめくれ上がるのを防ぐために、防草シートの端はモルタルでしっかり留める。

⑤ 植物ごとに適切なサイズの植え穴をあけ、植栽リングできっちり留める。

⑥ 防草シートは紫外線によって劣化が早まるので、防草シートの上から必ずマルチングを。植栽箇所には、植物の生育をサポートする微生物入りの土壌資材「バイオマイスター」をマルチングに用いるのもおすすめ。

詳しい施工方法はこちら!
【永久保存版】草取りのいらない「ノンストレスガーデン工法」を詳しく解説!「実家の庭問題」も解決してくれるノンストレスガーデン工法

ノンストレスガーデン工法は、「実家の庭問題」で悩む人にもおすすめです。高齢の親が自宅の庭の手入れができなくなり、実家の庭の草取りのために帰省をしている人は、じつは少なくありません。雑草が生え、草木がぼうぼうになった庭は防犯上よくないので、キレイにしておきたいものですが、かといって親に手入れをさせるのも心配です。庭を全部コンクリートで埋めてしまうという手もありますが、長く親しんだ緑の風景をすっかりなくしてしまうのは、親にとっても、そして子どもにとっても本当は寂しいものです。

ノンストレスガーデン工法なら、庭が雑草で荒れ放題になるのを防ぎながら、季節の花が咲く楽しみを残してあげられます。遠方の場合は、造園知識が確かなプロに依頼するのがおすすめです。一度施工してしまえば、さまざまな庭の手入れの苦労から解放され、美しい風景を家族で楽しむことができますよ。
Credit アドバイス / 阿部容子 - ガーデンデザイナー/造園家 -
あべ・ようこ/岐阜県可児郡「かたくり工房」に所属。モデルガーデンのガーデンカフェ「ガズー(Garzzz)」を拠点とし、公共、企業、個人の庭を全国各地でデザイン、施工。ぎふ国際バラコンクール審査員として岐阜県「花フェスタ記念公園」でも活動。アメリカ園芸療法協会会員として米国のカンファレンスで学んだ知識や技術を生かし、病院のガーデンも施工しています。
- 住所
岐阜県可児郡御嵩町伏見747
- TEL
スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
