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働かない35歳息子に「仕送り総額約3,000万円」…資産2億円・68歳富裕層の憂い。現実を直視したきっかけは、息子が決めた「150万円の使い道」【FPの助言】

働かない35歳息子に「仕送り総額約3,000万円」…資産2億円・68歳富裕層の憂い。現実を直視したきっかけは、息子が決めた「150万円の使い道」【FPの助言】

親から子への支援の実態

実は、こうした悩みを抱える家庭は、山田さんだけではありません。資産がある家庭ほど、「当面は困らない」ことがかえって問題を見えにくくし、対策が後回しになりやすいという指摘もあります。

PGF生命の「『おとなの親子』の生活調査2025年」(70歳以上の親がいる40~69歳対象)によれば、親から生活費の支援を受けたことがある人の平均支援額は138.8万円。山田さんの場合、仕送り月20万円だけで約13年、総額にすると約3,000万円にのぼります。「平均的な支援」とは、もはや別次元の話です。

また、健太さんはアルバイトをし、社会との接点もありますが、親が高齢になっても子どもの生活を支え続ける」という構図そのものは、いわゆる「8050問題」とも共通しています。

FPが示した「お金の問題ではない」という視点

山田さんは、知人の紹介でファイナンシャルプランナーの田中さん(仮名)に相談しました。

資産状況・収入・健太さんへの支援の実態など、一通りを聞き終えた田中FPは、こう切り出しました。

「これはお金の問題というより、財産を守る力と判断力の問題です」

不動産を含む資産には、固定資産税・修繕費・管理委託費といった維持コストが毎年発生します。山田さんの規模であれば、それだけで年間数百万円規模になることも珍しくありません。

「相続後にその判断を健太さんが一人で担うことになったとき、適切に管理できるかどうか。そこが、最も大きなリスクです」

では、どうすればいいのかと尋ねる山田さんに対策として提示されたのが、民事信託(家族信託)でした。

「対策にはいくつかの方法があります。遺言書で財産の配分を決めておくこともできますが、一括で渡す形になります。段階的に渡す設計まで組み込みたいなら、民事信託(家族信託)が特に有効です」

田中FPはこう続けます。

「民事信託は、自分の財産を、信頼できる家族に管理・運用・処分を任せる仕組みです。山田さんご自身が委託者となり、たとえば奥さまや信頼できる親族を受託者として設定する。健太さんは財産から生活の利益を受け取る受益者という立場に置きます。こうすることで、山田さん夫妻が亡くなった後も、財産が健太さんの手に一括で渡るのではなく、受託者が管理しながら生活費として段階的に渡す設計ができます」

「一度に渡さない、ということですか」

「そうです。仕組みで解決するのが民事信託の発想です。ただし、民事信託は契約と同時に効力が発生します。元気なうちに、どのタイミングで・誰に・どう管理を移すかを専門家と丁寧に設計しておくことが前提です。認知症になってからでは、その契約自体ができなくなります」

「もう一点だけ」と田中FPは続けました。

「健太さんには、今この瞬間から小さな判断を積み重ねる機会を作ることが大切です。管理の実務を少しずつ任せてみる。結果を一緒に振り返る。仕組みを整えながら、同時に本人の力も少しずつ育てていく。その両輪が必要です」

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