FPから見た「残業代に頼る家計」の限界
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物価上昇が続く中で、相談の現場でも「残業代が家計を支える柱になっている」という声を聞くことがあります。実際、法定労働時間を超えた残業代は通常の給与に割り増されるので、無視できないものだと思います。ただし、働き方改革が進められる現在、残業代に頼るということも難しい時代が近づいているように感じています。
そこでFPとしてお伝えしたいのは、「時間あたりの価値を高める」という視点です。スキルや資格で報酬の高い仕事に近づくこと、同じ時間でより付加価値の高い働き方にシフトすること、固定費を見直して長時間働かないと回らない家計から少し離れること、転職や働き方の変化を通じて年収と自由時間のバランスを考え直すことなど、簡単な話ではありませんが、意識しておく必要がありそうです。
まとめ
労働時間と幸福度の関係は、一本の線で結べるほど単純ではありません。メキシコのように長時間働いていても幸福度が高い国がある一方、日本はOECD平均を下回る労働時間でありながら、幸福度は世界61位にとどまっています。その背景には、社会的な繋がりの希薄さや所得への納得感のなさ、将来への漠然とした不安など、時間の長さだけでは語れない事情が見え隠れしています。
一方、制度の面では、約40年ぶりとなる労働基準法の見直しが議論されており、「つながらない権利」をはじめ、きちんと休める環境を整えようとする動きは少しずつ広がっています。ただ、制度が変わっても職場の空気や文化がすぐに追いつくとは限りません。
家計のやりくりという視点からも、残業代に頼らざるを得ない状況から少しずつ距離を置き、働く時間あたりの価値を高めていくことが、これからの時代を生き抜くひとつのヒントになるのではないでしょうか。