そして、こうした“カッとなったドライバー”が手を染めがちなのが、センターラインを無視した蛇行運転や、無理な追い越し。自分は強気で振る舞っているつもりでも、その姿は周囲の目にしっかりと焼き付いており、ときには通報され、ときには自らハンドル操作を誤って大事故へと直結します。
今回は、過去に大きな反響を呼んだ実録エピソードから、あおり運転を仕掛けた側に「報い」が訪れた2つの事例をご紹介します。一つ目は、交番の前では大人しく、過ぎた途端に豹変した男に下された“通りすがりの正義”。そして二つ目は、対向車線にまではみ出してあおってきた車が迎えた、あまりに呆気ない結末です。
記事の後半では、2026年4月に施行された道路交通法の改正内容に注目。車が自転車の右側を通過する際のルールが新設され、違反すると反則金が課されるようになりました。さらに、エピソードの中でも繰り返し登場する「黄色いセンターラインをはみ出しての追い越し」、その反則金がいくらか知っていますか? 知らずに繰り返すと、ある日突然「人生の歯車」が狂いかねない、数字のリアルに迫ります。

◆【エピソード1】交番を過ぎた途端に猛スピードで“あおり運転”
加藤優紀さん(仮名・30代)は、夜の道を運転していたときに、あおり運転に遭遇した。目的地までの道には大きなバイパスがあり、スピードを出す車が多いようだ。「その日もスピードを出す車が多いなか、雨が降っていたこともあり、いつもより慎重に運転していました。すると、後方から車間距離を詰めてくる車がいたんです。なるべく平常心を保ち、スピードを上げずに運転していたのですが……」
バイパスには交番があり、後方の車はその手前からスピードを落としたそうだ。車間距離をあけて走行していたので「これで、あおられる心配はなさそう」とホッとしたのも束の間……。交番を過ぎると、猛スピードでピッタリと後ろにつけてきたという。そして、次の瞬間……。
「目前に赤信号が迫っていたので一時停止しようとすると、急に私の車を追い越して止まりました」
突然の追い越しに“ヒヤッ”とした加藤さんだが、「青信号になればスピードを上げて走り去ってくれるだろう」と安堵していた。しかし……。
「スピードを上げるどころか蛇行運転をして、今度は私の走行を妨害してきたんです!」
加藤さんは、さすがに憤りを覚えクラクションを鳴らしてしまったそうだ。
「それが相手の思うツボだったようで、余計におもしろがって蛇行運転を続けてきたんです。進路変更してその場から離れることもできたのですが、目的地まで3分ほどの距離だったので我慢しました」
◆突然現れた救世主「警察に通報させてもらいました」
すると、後方からパトカーのサイレンが聞こえ、あっという間にあおり運転の車を取り締まってくれたのだとか。「警察から路肩に停止を求められて運転手は焦ったのか、縁石ブロックに乗り上げていました。その状況をみて、正直“スカッ”としました。

突然の救世主の登場に、加藤さんは「感動したのを覚えています」と、当時の心境を教えてくれた。

