そこで、すこし日本にゆかりのある外国人に「日本の印象」を聞くことで、我々が忘れかけていた日本の素晴らしさに改めて気づくことができるかもしれない。

◆日本食通が、8回目の来日で初めて感動したもの
デドさんは「バロンダンス(バリ版の獅子舞ともいうべき伝統芸能)」の踊り手として、長年にわたり国内外で活躍している。妻が日本人であることや、日本での舞踊公演への出演をきっかけに来日を重ね、1998年の初来日から数えると訪日回数は実に8回にのぼる。妻の作る家庭料理や招聘先の接待でさまざまな日本食を口にし、その美味しさに魅了されてきた彼は、多くの外国人が敬遠しがちな刺身も難なく口にする。そんな日本食通のデドさんが、2025年に日本のガムラン(バリ島伝統の音楽)グループとの共演のために来日した際にどハマりした日本食がある。
その話を聞いた時、「えっ? そんなものが?」と筆者は少々拍子抜けしてしまった。では、デドさんが初めて虜になった日本食とは、一体何だったのか。
◆感動は意外にも近所のスーパーにあった

「お弁当、おにぎり、唐揚げなどのお惣菜が1000円以下なのに、どれもおいしい。もう感動して、毎日ホテルの隣のスーパーに足繁く通ったよ」
数ある弁当の中で、デドさんが選ぶ「Best of Bento」トップ3は以下の通りだ。
1位:鶏の唐揚げ弁当
2位:鶏の照り焼き弁当
3位:鯖の塩焼き弁当
「インドネシア人も日常的に鶏肉を揚げて食べるけれど、クオリティが全然違う。あの薄づきの衣と、ジューシーで下味の旨さが詰まった肉。そしてなんと言っても肉の柔らかさ!!口の中でほどけていくようなあの食感に感動するよ。あの繊細さは日本料理ならではだね」と、1位に選んだ唐揚げを絶賛する。
「鶏の唐揚げって日本食の繊細さが反映されている料理だっけ?」と思わなくもないが、確かにインドネシアの鶏の唐揚げは野性味のある肉そのものの旨さは感じるが、柔らかさはなく、たまに「噛みちぎる」という表現がふさわしいと感じる時もある。 それを思うと、日本の唐揚げの「柔らかさ」はかなり感動ポイントが高いと推測する。子供の頃からあのハードな歯応えを当たり前として生きてきたなら、尚更かもしれない。そんな感動的な鶏の唐揚げ弁当が650円という現地の日本食レストランでは手に入らない価格で売られていることに衝撃を受けたようだ。


