では、実際に特殊清掃を業者に依頼した場合、費用はいくら程度かかるのだろうか。
都内を中心にさまざまな現場で特殊清掃を手がけるブルークリーン株式会社で働きながら、特殊清掃の実態を伝える登録者5万3000人以上のYouTubeチャンネル「特殊清掃チャンネル」を運営している鈴木亮太さんに、詳しい話を聞いた。
◆特殊清掃費用の最高額は366万円以上になったことも

「これまで、特殊清掃の総額については明確な指標がほとんどありませんでした。公開されている情報も少なく、部屋の広さや状況によって大きく変わるためです。そこで直近1年半で受けた案件をまとめてみたところ、間取りを考慮しない平均費用は48万9814円で、もっとも安いケースは2万円、最高額は366万6850円でした」
数万円から数百万円までと、費用には大きな幅がある。その違いはどこにあるのか。
「もっとも安いケースは、清掃をほとんど行わず除菌のみの対応でした。孤独死後すぐに発見され、汚染が広がっていない場合に“念のため除菌してほしい”という依頼です。一方で、最高額となったケースは、一軒家での作業でしたが、1階と2階が二世帯住宅のような構造で、実質的には広いワンフロアのような間取りでした」
さらに、その最高額となった現場では費用が膨らむ複数の要因が重なっていた。
「亡くなられたのはリビングでしたが、当時すべての部屋の扉が開いていたため、臭気が家全体に広がってしまっていました。その結果、全室の施工が必要になったのです」
加えて、遺品整理も同時に実施。作業規模は大幅に拡大した。
「物量も多く、工程がかなり増えました。他社と比較すると高額に見えるかもしれませんが、“再発リスクを残さず一度で解決する”ことを前提に作業を行っています。そのため、どうしても工程が増え、費用にも反映される形になります」
◆高額になりやすいのは“生活水準が高い現場”
また作業費用が高額になるケースについて、鈴木さんは「一定の傾向がある」と話す。「大規模な現場であっても、作業の妥当性を丁寧にご説明し、誠実な対応を徹底することで、深い信頼をいただいております。お客様も、適正な復旧には相応の専門技術が必要であることを深く理解してくださっているため、円満に作業を進められるケースがほとんどです」
一方で、間取りが小さいからといって費用が安くなるとは限らない。
「ワンルームでも、平均すると35万円前後はかかります。実は理由があって、ワンルームで孤独死が発生するケースでは、いわゆる“ゴミ屋敷”状態になっていることが多いんです。保証会社が先に室内の片付けを行い、その後に特殊清掃だけを行う場合、費用は下がりますが、ゴミ屋敷状態のままだと作業工程が増えてしまい、費用も上がります」

