◆思わぬ形での早期退任…巨人は変われるのか
元をたどれば、阿部前監督のスパルタとも評される指導は、選手の間では不評だった。キャンプでは若手に走り込みや打ち込みを徹底させるなど、チーム力の底上げに必要不可欠な指導を行っていた。しかし、時に厳しく選手を叱責する場面もあり、若手の萎縮を招いていると論じられたこともあった。3年契約の最終年の今季は、優勝を逃せば退任が既定路線ともいわれていたが、思わぬ形での早期退任。当然、チーム内には動揺も広がっているが、逆に選手は力みが取れて、選手がいい意味で結束する可能性もあるだろう。
今季も最下位候補だったヤクルトが池山隆寛新監督の下、生き生きとしたプレーを見せ首位争いを演じているのが好例だ。監督が代わるだけでも、チームが大きく生まれ変わることができる。
橋上代行監督がコーチとして培った手腕を発揮し、思わぬ好結果を残した時、巨人は次期監督をどうするか、頭を悩ませることになるかもしれない。
20数年前、阪神は外様監督を迎え、古い体質を脱却。暗黒期を過去のものとした。今度は巨人が伝統という名の呪縛を断ち切る時なのではないだろうか。
文/八木遊(やぎ・ゆう)
【八木遊】
1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。現在は、MLBを中心とした野球記事、および競馬情報サイトにて競馬記事を執筆中。

