ペアローンに潜む「3つの落とし穴」
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落とし穴:育休中は収入が減る現実
育児休業給付金は、育休開始から6カ月間は休業前賃金の67%、7カ月目以降は50%に下がります。社会保険料支払いの免除があることや「出生後休業支援給付金」の活用により、夫婦が同時に育休を取得した最初の28日間は手取り100%相当を目指せるようにもなっていますが、段階的に給付は減っていきます。また、育休明けに時短勤務を選択するならば、その期間中も収入が下がるでしょう。
ペアローンは2本の返済義務が並行して続くため、収入減の育休期間中は家計が圧迫されます。また産休・育休中は所得がゼロ扱いとなるため、住宅ローン控除の恩恵も受けられないケースがある点も注意が必要です。
落とし穴:金利が上がると2本分の返済負担が同時に増える
変動金利型のペアローンでは、日銀の利上げが続くと夫婦2本分の返済額が同時に増加します。借入総額が大きいほどそのインパクトは大きく、仮に夫婦合計5000万円を変動金利で借り入れている場合、金利が0.25%上昇するだけで年間返済額は数万円単位で増加します。
「片方を固定金利・もう片方を変動金利で組み、借入期間を調整することで、家計運営がしやすくなる」というミックスローンを提供している金融機関もあります。夫婦で金利タイプを分けることで、リスクを分散する戦略も有効です。
落とし穴:失業で「もう一方の全額負担」になりかねない
ペアローンは夫婦それぞれが独立した住宅ローン契約を結び、互いが相手のローンの連帯保証人になる仕組みです。そのため、一方が失業で収入を失った場合、残ったもう一方が自分のローンに加えて相手のローン返済も負担する事態になりかねません。
失業の場合、雇用保険の失業給付(基本手当)は一般受給者で最大150日分ですが、その間も住宅ローンの返済は止まりません。離婚の場合はさらに複雑で、物件の共有持分・ローン名義・居住の有無が絡み合い、「家を売りたくても売れない」「相手が返済を止めても自分の信用情報に傷がつく」というトラブルが頻発します。「共働きが続く前提」であることが、ペアローン最大のリスクです。
正しく使えば強力。ペアローンの2大メリット
メリット:住宅ローン控除をダブルで活用できる
ペアローンでは夫婦それぞれが住宅ローン控除(年末残高の0.7%×最大13年)を受けられます。2026年入居の子育て世帯・若者夫婦世帯(夫婦のいずれかが40歳未満)が長期優良住宅を購入した場合、1人あたりの借入限度額は最大5000万円、13年間の最大控除額は455万円にのぼります。ペアローンでは夫婦それぞれがこの枠を持てるため、夫婦合計では借入限度額1億円・最大控除額910万円まで活用できます。単独ローンでは一方しか控除を受けられないため、節税効果の差は非常に大きくなります。
メリット:世帯年収をフル活用して借入可能額を拡大できる
たとえば夫の年収500万円(一般的な借入可能額約3300万円)、妻の年収400万円(同約2700万円)の場合、35年のペアローンを組めば合計で約6000万円まで借入可能になります(MUFG住宅ローン借り入れ可能額シミュレーション試算)。都市部で住宅価格が高騰する中、単独ローンでは手が届かなかった物件も現実的な選択肢に入ってきます。ただし「借りられる額=返せる額」ではないことは常に念頭に置いてください。