コンビニの仕事というと、レジ打ちや品出しだけを想像する人もいるかもしれない。だが実際には、宅配便、公共料金の支払い、チケット発券、フリマアプリの発送、コーヒーマシンのトラブル対応まで、やることは多岐にわたる。
そんななかで地味に現場を疲弊させるのが、悪意はなさそうだが、対応に時間を取られる客である。
◆しつこい質問で作業が止まる

最初は意味のよくわからないことを尋ねてきて、こちらが答えると、今度は買うかどうかわからない商品を持ってきて、「これはいつ追加で入荷しますか?」と聞いてくる。
「申し訳ありませんが、今はわからないです」と返すと、「どうやったらわかるの?」とさらに聞かれる。
「店長がいる時間帯でないと確認できません。明日以降に来ていただければ……」と説明しても、なかなか引き下がってくれない。こちらとしてはレジ対応や品出し、清掃など、ほかにも作業が山ほどある。正直なところ、長時間つかまってしまうとかなり困る。
先日も、夕方16時ごろに中年女性が店に入ってきた。女性はそのままレジ前に立ったきり、何も出さない。
「いかがなさいましたか?」
そう声をかけると、女性はひと言。
「収納代行」
だが、払込票を出すわけでも、財布を出すわけでもない。こちらが戸惑っていると、ようやくゆっくりと払込票を2枚出してきた。財布から現金を出すまでに時間がかかり、レジには少しずつ列ができていく。応援を呼ばなければならない状況だった。
支払いが終わったあとも、女性はなぜかいくつか質問をしてきた。こちらは最低限の返答をしながら、早くほかの作業に戻りたいと思っていた。
◆「このジップロックは、次いつ入荷するんですか?」なんで?
ところが女性はその後も店内を30分ほど歩き回り、ようやく商品をひとつ持って再びレジに来た。購入したのは、あまりコンビニでは売れないジップロックだった。たいていの人はスーパーで買うだろう。会計が終わると、女性はこう尋ねてきた。
「このジップロックは、次いつ入荷するんですか?」
限定品でもなければ、コンビニでしか買えない商品でもない。必要ならスーパーやドラッグストアでも手に入るだろう。正直、そこまでこだわる理由がわからなかった。
「発注担当も店長も今はいないので、現時点ではわかりません」
普通ならこれで終わる。しかし女性はそこから、「店長はいつ来るの?」「いつならわかるの?」「次の入荷はいつ?」と質問を重ね、なかなか店を出ていかない。
このときはスタッフの人数が多く、ベテランの店員が対応を引き継いでくれたため、なんとか収まった。
しかし驚いたのは、その日の21時ごろ、同じ女性が再び来店したことだ。また収納代行の支払いを済ませたあと、今度もジップロックの入荷時期を確認してきた。
筆者にとっては初めて見る客だったが、「また来るかもしれない」と思うと、少し頭が痛くなった。

