◆マダニに刺されたら焦りは禁物、すぐに病院へ
※記事公開当初、マダニが媒介する感染症について「重症熱性血小板減少症候群(STFS)」と記載していましたが、正しくは「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」でした。また、治療法および受診の目安に関する記述に不正確な表現があったため、本文を修正いたしました。関係者ならびに読者の皆様に謹んでお詫びいたします。(2026年5月29日19時15分 日刊SPA!編集部)続けてマダニの話になった。SNSでは時おり、大量のマダニにびっしり寄生された動物のショッキングな画像が出回るが、人間の場合はどのような被害があるのか。マダニは、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)というウイルス性の感染症を媒介することがある。感染すると6日〜2週間程度の潜伏期間を経て、発熱、嘔吐、下痢などの症状が出ることがあり、血小板や白血球の減少も見られる。致命率は約10〜30%程度とされ、重症化すれば命に関わる感染症だ。
マダニの出没ポイントは「緑」である。マダニは野山や草むら、ヤブなどに生息するが、市街地の公園や緑地の草むらでも見つかることがある。健やかで緑あふれる環境は、ペットとの散歩や休日のレクリエーションにうってつけだが、散歩や行楽の最中に人間やペットが被害を受けやすい。
「注意点として、マダニに刺された時は決して自分で取ろうとしないでください! マダニ本体はさほど強い虫ではありませんが、本体を潰しても針部分だけ刺さったまま皮膚内に残され、余計に対処を難しくしてしまう可能性があります。人間でもペットでも、必ず専門知識のある医者や獣医に見てもらい、針部分も含めて摘出してもらうべきです」
ペットを飼っている家庭であれば、忌避効果のある殺虫スプレーを室内や玄関・屋外に撒いておくのも、マダニ予防に効果的だと平田さんは推奨している。種類はペットにも安全な、ゴキブリ用・ハエ用など市販のピレスロイド系で十分。ペットへ定期的に塗る・垂らすタイプの駆除薬も活用すれば、ペットのマダニ被害リスクと、人間への二次被害リスクをかなり軽減できるだろう。
◆セアカゴケグモは「巷で言われるほど危険ではない」が…

「日本でセアカゴケグモが初確認された時はマスコミで大きく取り上げられましたが、危険性のイメージと実態にかなりズレがあるように思えますね。とはいえ公園や幼稚園の遊具など、幼児や子供の活動範囲に近い場所でよく見かけられる虫なので、油断は禁物です」
上述のスズメバチやマダニが目立たない場所を好むのに対して、セアカゴケグモは日の当たって暖かい場所を好む、例えるなら目立ちたがりの「陽キャ」である。このため公園の遊具の裏側など……つまり、人間の子供が座ったり触ったりする所の近くに現れやすいのだ。また、自転車置き場の屋根などにセアカゴケグモが発生して、それが下へ降りてきて問題になるケースもある。
「保護者の方々は、お子さんを連れて公園へ行く時、特にセアカゴケグモに注意してほしいですね。『セアカ』という名前のとおり『背』中に『赤』い線が入っているので、予備知識があればパッと見て判別できます。見かけたら子供をすぐ遠ざけてください」
また、セアカゴケグモの巣は他のクモと違い、非常に粘着力が強く、指でも切れないほど硬い塊のようになる。この駆除について、まずは巣に殺虫スプレー(市販品で可)を噴霧し、表に這い出たセアカゴケグモを割り箸などで除去したのち、巣も卵も丸ごと取り去って処分する方法を、平田さんは紹介した。素手でクモに触れないよう準備すれば、一般人でも対処しやすい部類ではある。万が一の心配をとるなら、これも駆除業者に依頼した方が無難だ。
「もっと簡単な駆除方法ならば、ガスバーナーで巣ごと一気に燃やす方法もありますよ(笑)。火事の危険があるので一般の方にはおすすめしませんが、周りがコンクリートや鉄骨だけで可燃性のものがなければ有効です。区市町村がセアカゴケグモに対処するときは、バーナー焼却も多いですね」

