
◆「グラングリーン大阪」「渋谷サクラステージ」“ガラガラ”と言われてもオフィスは?
最近、とくにSNS上で「一等地なのに空いている!」と話題になった場所といえば、JR大阪駅北側に2025年3月に開業した複合再開発ビル「グラングリーン大阪南館」だ。また、東京都心ではJR渋谷駅南側に2024年7月に開業した複合再開発ビル「渋谷サクラステージ」も「渋谷駅直結とは思えないくらい空いている」とたびたびSNSを賑わせている。両施設ともに日本を代表するターミナル駅に直結した“超一等地”の複合再開発施設だ。それゆえ、従来の駅前商業施設の感覚で見ると、確かに「空いている」と感じることもあるだろう。
一方で、この2施設には大きな共通点がある。それは、両施設ともに下層階に商業施設を備えるが、建物全体の主役となっているのは大規模な賃貸オフィス。つまり「オフィス主導型の複合再開発」であるという点だ。
◆複合再開発の主目的は“集客”にあらず

こうした都心の新しい高機能ビルへのオフィス集約は、従業員に対する福利厚生にも繋がるものであり、人材獲得競争のなかでは必須項目の1つとなりつつある。もちろん、梅田や渋谷という「アジア有数の大都市の一等地に本社オフィスを構える」ということ自体に価値を見出す企業も多い。
つまり、これら2つの複合再開発は「商業施設による集客」を主目的としたものではなく、再開発街区全体、ひいては「都市機能全体の価値向上」、さらには「国内大手企業の価値向上」をも目指した一大プロジェクトであり、施設全体を見ると「再開発の成功例」であるともいえる。

