「中間層とボトム」:“探求心”くすぐる食感という冒険

真っ黒なグラスの中で起こる味の科学。香りと香りがつながり、美味しさの化学変化が起こるVERTのパフェ。中をどう構成しているのか、その美学を伺うと……。
田中シェフ「フルーツはそのまま使うことはありません。ほとんどがカットしたもので、1cm角ぐらいの小さなサイズにカットすることが多いです。“フルーツをそのままフルーツとして食べさせる”ことは一切考えていません。
中は、フルーツだけではなくハーブや発酵させた果汁をピューレにしてわらび餅やゼリーにすることもあります。最近では、金柑を2年間発酵させて、それをピューレにしわらび餅にして中に入れました。食感のテクスチャーが違って食べていく中で変化があって面白いことが、パフェの醍醐味だと思っています。中が見えないグラスで、想像しながら考えながら食べ進める楽しさがあるものだと思っています。
パフェは手数やパーツが増えるのがだいご味ですが、増えすぎてしまうと味がブレて方向性がわからなくなると思っています。例えばパフェの上にタイムがのっていたり、味わいに関係ないパーツがのっかっていることも。“伝えたいことをシンプルかつわかりやすく”食べさせたい意図をはっきりさせて構成することを心掛けています。
ちなみにですが、トップの部分には必ずチョコレートのディスクを入れていて割って食べるようにしています。割って楽しむという、背徳感ある行為もワクワクするしパフェの楽しみの一つだと思っています。中が見えないからこそ、その楽しみもより一層膨らむと思っています。」
「スプーン」:食体験をより機能性があって良いものに

サイズ直径18.5cm
田中シェフ「こちらのスプーンは、藤田永子さんにお願いしました。特注サイズのスプーンです。一つ一つ表情が異なっていて、そこが趣です。VERT専用でオリジナルで作っていただきました。
このスプーンの良さは、機能面にもあって、口に入るときの量のバランス感が凄くいいんです。また持ち手がしっかり長いので、パフェを掘って食べていくような動作を促すところもいいですね。」