◆ADとディレクター証言が示した当日の状況
Aさんは法廷で一貫して「抵抗していた」と述べている。この証言は信用できるのか。検察側は外堀をうめるように、番組ADとディレクターの証人請求をした。検察側は、性的行為を拒否できなかった理由に「権力構造」も指摘している。番組ディレクターは、斉藤被告は「人気者」だとする一方、Aさんは「SNSで活躍する一般の方」と明言している。
番組ADは、Aさんの当時着ていた服装を考慮して、ロケバスでピンマイクを外すように求めた際のことを振り返った。
「Aさんは、『私はここでいいです(筆者注:ロケバスの外でいい)』と遠慮するような反応をされました」
Aさんは一度、ロケバスへの乗車を拒否していたのだ。一方で、両者ともに「Aさんの様子はおかしくなかった」と弁護側に有利な証言もしている。
◆6月2日から弁護側立証へ

否認事件では通常、弁護側立証として被告人質問や証人尋問が行われる。初公判で弁護側は、「斉藤さんに芸能人としての影響力はあったのか、証人の証言や被告人質問を聞いて判断してください」と、斉藤被告の芸能人生で掴み取った「栄光」と矛盾する発言をした。
◆ドライブレコーダーの映像は存在するのか
ロケバスでの白昼の性犯罪。事件後、SNS上では「ロケバスのドラレコはないのか」と疑問を呈す投稿が多かった。しかし現在までに、ロケバスのドラレコ映像は証拠提出されていない。というのも、裁判で弁護側は「運転席の境目にはカーテンがありましたね。カーテンの向こう側は見えない」と言及している。
特に、口腔性交が行われたのは斉藤被告の着替え中だ。なおさら、カーテンは閉められていたはずであり、仮にドラレコ映像があっても直接的な証明はできなさそうである。
6月2日、注目の裁判は進展を迎える。早速、斉藤被告の口から事件が語られるかもしれない——。
文/学生傍聴人
【学生傍聴人】
傍聴歴7年、傍聴総数1000件超。 都内某私立大の大学院に在籍中の現役大学院生。趣味は御神輿を担ぐこと。高校生の頃から裁判傍聴をはじめ、有名事件から万引き事件など幅広く傍聴している。その他、裁判記録の閲覧や行政文書の開示請求も行なっている。

