
◆深夜のごみ集積所に置かれた3つの袋
日付が変わってから仕事を終えて帰宅する途中、佐藤裕紀さん(仮名)はいつものように、自分が暮らす古い賃貸マンションのごみ集積所を横目で見た。「またか……」
そこにはすでに、大きなごみ袋が3つ、どさりと積み上げられていた。時計の針は午前2時台を指していた。
佐藤さんの住む地域では、燃えるごみの収集は火曜日と金曜日の週2回。カラス対策のため、ごみは「当日の朝に出す」ことが決められている。その夜は木曜日。正確には日付が変わって金曜日になっていたが、「朝」とはほど遠い深夜である。
ごみ集積所にはコンクリートの囲いがあり、黄色い細かな網と物干し竿で作られた手製のカラスよけも備えられていた。しかし、それも十分には機能していなかった。
「深夜に出されたごみ袋が、朝にはカラスに荒らされていることもありました。中身が道路に散らばっていると、誰かが片づけなければいけない。正直、かなりストレスでした」
佐藤さんがそのマンションに越してきてから3年が経つ頃、ルールを無視したごみ出しが急に増えたという。
◆外国人の住民が捨てている現場を発見

「マンションの駐車場のほうから、2人の男性が歩いてきたんです。楽しそうに談笑していましたが、その言葉は日本語ではありませんでした」
街灯の光の下で見えた彼らの顔立ちは、東南アジア系のようにも見えたという。
「平然とした様子でごみ袋を捨てていました。片方がこちらを見た気もしましたが、怖くてとっさに視線をそらしてしまいました」
その後も、佐藤さんは5〜6回ほど同じような現場を目撃した。やがて気づいたのは、その男性たちが、エレベーターでときどき見かける住人らしき人物たちだったということだ。
「作業着を着て、朝早い時間に駐車場の車へ仲間たちと乗り込んで出かけていくんです。この賃貸マンションも、おそらく彼らの雇い主が借り上げて、寮のように使っているのではないかと思いました」
自室でパソコンに向かっていると、外国語で楽しそうに話しながら廊下を通り過ぎていく声が聞こえることもあったという。

