一日の始まりは花がら摘みから

花がら摘みは、一日の始まりにぴったりの庭作業。涼しい朝の時間に外へ出て、庭やコンテナの植物の様子をチェックしながら行いましょう。同時に、水やりが必要かどうかも確認できます。
花がら摘みにはいくつかのメリットがあります。
まずは、必要のない種子を結ばせることなく、開花や生育に株のエネルギーをより集中させられること。花弁数の多いボタンやシャクヤク、バラ、サザンカなどの場合は、古くなって落ちた花びらが辺りに散らばるのを防ぐことができます。落ちた花びらは、時にとても煩わしく、掃除が大変になってしまいます。
また、こぼれ種で増える植物は、意図しない場所から芽が出るのを防ぐことができます。
花がら摘みの方法

手で摘む
一番シンプルな方法は、指でつまんで摘み取るか折り取ること。花茎ごと摘み取るようにすると、見た目も整った印象に保つことができます。
園芸バサミやナイフを使って
固く太い茎や繊維質の茎を持つ植物の場合は、ハサミやナイフなどの刃物を使いましょう。基本的に、次のつぼみまたは葉のすぐ上で切り戻し、終わった花を切り取ります。
デルフィニウムやルピナスのように、1つの花茎に複数の花が咲く植物の場合は、個々の花を摘み取るか切り取り、すべての花が咲き終わったら、つぼみ・葉・側枝のすぐ上で切るか、必要に応じて株全体を半分~1/3程度まで切り戻します。開花後に地面近くまで切り戻すと、再び盛り返して2度目の開花をする植物もあります。

植物のたくましさに触れる日々

私たちの家のすぐ目の前や、道路沿いやタイル、コンクリートの小さなひび割れ。こうした場所を舞台に、日々小さな驚異が起こっています。種子と水が流れ込む、数ミリほどのわずかな隙間があれば、植物たちがたくましく育つことができるのです。
日本では、土壌を固定したり高低差を埋めるため、道路沿いに積み上げられた大きなコンクリートブロックをよく見かけます。これらのコンクリートの壁には、高い場所から流れ込む水を排出するための排水管が設置されていますが、先日、幅5cmほどのその小さな排水管から木が生えているのを見かけました。まさに驚きの光景です。排水管本来の機能は失われてしまいますが、代わりに根を張った木が斜面を安定させる役割を果たしています。

一方、我が家の前では道路と外壁の間の小さな隙間から、庭のすぐ外側にカモミールとシソが生えています。昨年、道路に面した前庭に植えたカモミールとシソが、今年になってこぼれ種で出てきたのでしょうか。散歩中の犬のおしっこが肥料になっているのか、緑のシソはとても元気に育っています。
私は、こうした道路沿いの小さな隙間から生えている植物は、すべて取り除くことはしません。邪魔にもなりませんし、生き延びようとする強い意志と能力を持ち、虫たちの貴重な食糧にもなるこうした植物は、日々の生活を少しだけ明るくしてくれるからです。
除草剤を買ってきて庭の隅々や石の隙間に撒く前に、立ち止まってちょっと考えてみましょう。そこは、植物にとって小さな楽園になっているかもしれません。
生きようと努力するすべての植物や生き物に感謝の気持ちを持ち、こうした小さな花園の美しさを楽しめたらいいですね。
Credit 話 / Elfriede Fuji-Zellner - ガーデナー -
エルフリーデ・フジ・ツェルナー/南ドイツ、バイエルン出身。幼い頃から豊かな自然や動物に囲まれて育つ。プロのガーデナーを志してドイツで“Technician in Horticulture(園芸技術者)”の学位を取得。ベルギー、スイス、アメリカ、日本など、各国で経験を積む。日本原産の植物や日本庭園の魅力に惹かれて20年以上前に日本に移り住み、現在は神奈川県にて暮らしている。ガーデニングや植物、自然を通じたコミュニケーションが大好きで、子供向けにガーデニングワークショップやスクールガーデンサークルなどで活動中。
Photo/ Friedrich Strauss Gartenbildagentur/Stockfood
まとめ / 3and garden
スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
