“サブカルの街”として知られる東京・高円寺に、この春一軒の美しいお菓子屋が誕生した。台湾出身の王師都(ワンシドゥ)さんが営む「向陽珈琲店」だ。台湾の花やハーブを使った繊細なケーキ、そして100年前の蓄音機やアンティーク雑貨が並ぶ店内。まるで異国の物語に迷い込んだかのような空間で、店主ならではの世界観を味わえる。

台湾店主の世界観に魅了。高円寺に誕生した「向陽珈琲店」


高円寺駅南口から徒歩約3分の場所にある「向陽珈琲店」。自然光がたっぷり差し込む1階ではイートインはもちろん、ケーキや焼き菓子のテイクアウトも可能。そして暗めで落ち着きのある空間の2階では、100年前の蓄音機から出る音色と一緒にティータイムを堪能できるのがこの店の楽しみ方。

「人それぞれの異彩を放つ町で、自分らしさを咲かすことができる場所だと思い高円寺という地を選びました」と話すのは、台湾出身という店主の王師都(ワンシドゥ)さん。
大学卒業後に来日。なぜ調理師学校からパティシエの道へ!?

高校卒業後、台湾の大学で中国文学を学んでいたという王師都さん。食に触れる機会はなかったそうで、きっかけは在学中のアルバイトにあったんだとか…。
王師都さん
「学校の近くに最新のパティスリーがオープンしたのがきっかけです。当時の台湾では、また洋菓子文化が広く浸透しておらず、伝統的なお菓子屋が多かったです。そこに魅了されアルバイトを始め、デザートに興味を持つようになりました。その影響で卒業論文のテーマは、食に関する文学を研究しました」

大学卒業後は1年間北海道へ留学。その後、東京の調理師専門学校に進学。しかし“学生時代にやっていたお菓子作りが一番楽しい”という想いが強くなり、卒業後はイノベーティブイタリアンレストラン「FARO」で、シェフパティシエ・加藤峰子氏のもとで4年間修業を積み、今年3月に独立されたんだそう。パティシエになるには高校卒業後に製菓の専門学校に行くのが一般的なルートの中、まさに異色の経歴の持ち主。