このたび小樽市では、移住促進分野で活動する地域おこし協力隊員を1名募集します。
活動のメインは情報発信です。ただし、既存の観光情報や行政情報をそのまま発信するのではありません。自分自身が小樽に移住した体験をそのままコンテンツにして、移住を考えている人たちへ「住みたくなる小樽」を届けること。このポジションに期待しているのは、そういう役割です。
この記事では、小樽というまちのことと、こうした募集をする背景などを少し丁寧にお伝えしたいと思っています。移住促進事業に関心がある方、情報発信の仕事に関心がある方、地方での新しい働き方を模索している方は、ぜひ最後までお読みください。
1. まず「小樽」というまちについて
小樽といえば、多くの人はあの風景を思い浮かべるでしょう。石造りの倉庫群が連なる運河沿いの景色や、北海道経済の中心として栄えたまちの面影が、いまも日常の風景の中に自然と溶け込んでいます。日本銀行の支店がかつてここに置かれていたように、その長い歴史の中でつねに「外の世界とつながる場所」でした。
その小樽市は北海道の西部に位置し、日本海に面した港町です。札幌から約40kmに位置し、電車では最速で約35分、新千歳空港からも約70分という距離にありながら、人口は約10万人。コンパクトながら、歩いて回れるエリアに歴史と文化が凝縮されている魅力の詰まった地域です。

生活の場としての小樽の顔は、観光客にはなかなか見えないかもしれません。国内の多くの自治体同様、やはり少子高齢化や人口減少による課題を抱えています。実は転出先の多くはすぐ近くの札幌です。「子どもの学校のことを考えると」「仕事の幅を広げたくて」—そういった理由で身近な誰かが小樽を出ていくという話は、地元の人々にとって珍しくありません。
一方でこのまちには、ユニークで際立つ魅力がたくさんあります。
歴史的な建物が今も日常の風景として使われている街並みは、独特の空気や文化を育んでいます。それを求めて来訪する観光客が多く、小さな商売が成り立つ下地ができています。移住してきて飲食店を開いた人、宿を始めた人、クリエイティブな仕事をしながら古い建物に惚れ込んで越してきた人—そうしたストーリーがこのまちにはたくさんあります。
小樽市の地域おこし協力隊第一号として活躍する鳥井さんも、そんなストーリーを描いている一人です。是非こちらのインタビュー記事も合わせて読んでみて下さい。
Nativ.media | 地方移住・関係人口創出のプラットフォーム
また、小樽市を含む「北後志(きたしりべし)」エリアは、余市町・赤井川村・仁木(にき)町・古平(ふるびら)町・積丹(しゃこたん)町と小樽を合わせた6市町村が広域連携を組んでいます。ワインとフルーツの産地、漁業とダイビングの町、農山漁村の風景と歴史的な港町。この圏域全体を視野に入れると、その中心となる小樽の移住先としての可能性はさらに広がります。

2. 今はまだ「住む魅力」が届いていない

[小樽市街地の様子]
800万人の旅人が小樽を訪れているということは、その中にはきっと「ここに住んでみたいかも」と感じた人も少なくないかもしれません。しかし、そうした人が「小樽移住」を具体的に考えようとしたとき、参考になる情報や、それを後押しできる人は、まだまだ十分ではありません。特に「住んでみてどうだったか」「仕事はどうやって見つけたか」「冬の暮らしはどんな感じか」—そうした実際に移住した経験がある人の実感がこもった話は、まだまだ発信する余地があると考えています。今回の募集も、この問題意識から生まれています。
令和5年(2023年)2月、小樽市は商工会議所内に移住相談のワンストップ窓口「おたる移住・起業『ひと旗』サポートセンター」を開設しました。住まいや仕事の相談に応じ、移住者同士のコミュニティづくりも行っています。相談に来た人を丁寧にサポートする体制は整ってきています。ただ、そこに来てもらうためには、まず「住みたくなる」感情をさらに育てる必要があります。
自分自身が移住して、その感覚をベースに発信する。やっぱりそれが、一番訴求力のあるコンテンツになりうるはず—今回の協力隊の仕事は、そうした考えから設計されています。

