◆食費は「月に40万~50万円」

「大食いはトレーニングがしんどいだけじゃなく、食費もかかる。僕も月に40万~50万円くらい出費します。だからこそ、見返りのある業界に変えていきたい。今は大食いをベースにしたインフルエンサー活動で稼ぐ人が多いですが、『大食いできる』という能力自体が稼ぎに直結する環境にしていきたいです。
『ここに懸けたい』と思えるくらいの見返りがあれば、頑張る人たちが出てきやすいと思います。新しい人たちがもっと入ってきやすいオープンな業界にしていきたいですね」
つまり、新人が足を踏み入れづらい環境だったのだ。既得権益を持った人たちが自らのポジションを守るため、力を持つ新人を村八分にする構造が業界内にあった。過去に干された経験を持つRyuさんがそれを証明している。
「でも、ガチの気質を持っていればそんなふうにはならないはずです。今の国内の大食いは2年間努力しただけの自分が日本一に到達できてしまうレベルだったということ。
そんな業界を変えて、真の意味で大食いを流行らせるために必要だった最後の実績が『大食い王』の優勝だったんです。いくら偉そうなことを口にしても『いや、大食い王で優勝してないじゃん』と思われかねない。だから、有無を言わさない実績が必要でした」
◆昔と比べて大食いのレベルは上がっているのか?

「全体的なアベレージは上がっていると思います。昔の大食いって上位と下位の差がめちゃくちゃ激しいんですね。ほかの選手と比べ、ジャイアント白田さんと小林尊さんだけがずば抜けていた。このお二人を僕はものすごくリスペクトしています」
逆に言えば、現役時代の白田と小林の勇姿は今も現役選手にとっての高い壁としてそびえ立っている。
「昔、本気の大食いが流行っていた時期が日本にもありました。僕が業界に入ったときは『おいしく、楽しく、きれいに食べてください』というエンタメ寄りの風潮だったけれど、僕が子ども時代に見ておもしろいと思ったのは白田さんと小林さんの時代です。本気の大会や番組が増え、あの頃みたいな熱狂できる空気感がよみがえれば、eスポーツみたいにスポンサーも付くだろうし、勝手に選手に返ってくる。そんな環境にしたいです。
エンタメに寄った仲良しこよしの派閥ができているから、これまで業界の問題点について発言する人は誰もいなかったんですね。現役最強になった今が、やっとスタートラインなんです」
“優勝”というお墨付きを得た彼が第二の大食い黄金期を切り拓くべく、これから業界を牽引していく。

