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息子たちから、家の売却を迫られています…夫を亡くした70代女性が直面する相続トラブル、回避策はあるか【司法書士が解説】

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配偶者居住権が有効なケース

では具体的に、どんなケースが有効なのでしょうか? 整理しながら見ていきましょう。

●自宅以外の相続財産が少ない場合

たとえば、夫婦で住んでいた家が唯一の大きな財産であり、現金や預貯金がほとんどないケースでは、妻が自宅を単独で相続すると、ほかの相続人に分配する財産が不足してしまいます。

そのような場合に配偶者居住権を活用することで、

配偶者 → 住み続ける権利(配偶者居住権)

子どもなどの相続人 → 自宅の所有権

それぞれを分けて相続させることが可能です。これにより、妻は引き続き自宅で生活することができ、子どもたちも将来的な資産としての権利を確保できます。

結果、相続をめぐるトラブルの抑制にもつながります。

●家族関係が複雑な場合

配偶者居住権は、家族関係が複雑な場合にも効果を発揮します。

たとえば、再婚家庭で前配偶者との間に子どもがいる場合や、配偶者と子どもの関係があまり良好でない場合などです。

このようなケースでは、遺言によって配偶者居住権を設定しておくことで、子どもたちが早期の売却を求めるといったトラブルの予防につながります。

相続人同士の関係が険悪だと、相続後に配偶者が家から追い出されるといった問題に発展するリスクもありますが、配偶者居住権の設定によって、法的に配偶者の居住が守られます。

そうすることで、配偶者は安心して生活を継続することができるのです。

●遺産分割に時間がかかる場合

遺産分割協議が長期化する場合にも有効です。

また、一定の場合には配偶者短期居住権による保護も受けられるため、当面の居住が確保され、精神的な不安の軽減にもつながります。

配偶者居住権は大きく分けて2種類

配偶者居住権には、大きく分けて「短期配偶者居住権」と「長期配偶者居住権」の2種類があります。

短期配偶者居住権は、相続開始と同時に自動的に発生する権利であり、登記などの手続きは不要です。一定期間、無償で自宅に住み続けることができる暫定的な保護制度です。

一方の長期配偶者居住権は、遺産分割や遺言によって設定される権利で、長期間にわたり居住を認めるものです。こちらは相続人間の合意や遺言によって成立します。

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