テール条項によるM&A後のM&A仲介手数料請求トラブル
中小企業のM&Aでは、M&A仲介契約終了後も、一定期間内にM&Aが成立した場合、M&A仲介手数料が発生するという「テール条項」が設けられていることがあります。
例えば、売主が、M&A仲介業者から紹介を受けた買主候補と、M&A仲介契約終了後にM&A仲介業者に内緒で直接交渉を行い、後日M&Aが成立した場合でも、M&A仲介手数料の支払義務が生じるという構造です。
依頼者(売主)としては、「既に契約は終了している」「その後の交渉は自分たちで行った」と考えることがありますが、M&A仲介契約上は、一定の因果関係が認められればこの「テール条項」に基づきM&A仲介手数料請求が可能とされていることがあります。
特に問題となるのは、テール期間の長さや、「紹介」の範囲が曖昧である場合です。買主候補の情報提供だけでも「紹介」とされることがあります。その結果、依頼者としては想定していなかったタイミングでM&A仲介手数料を請求されることがあります。
成功報酬以外の費用項目の不透明性
M&A仲介手数料を巡るM&Aトラブルでは、成功報酬以外の費用項目も問題となります。
中小企業のM&Aでは、着手金、中間金、企業価値算定費用、概要書作成費用、デューデリジェンス関連費用など、複数の費用項目が設定されることがあります。しかし、依頼者としては、どの費用が必須であり、どの費用が追加的なものであるのかを十分に理解しないまま契約を締結している場合も少なくありません。
また、「デューデリジェンス費用」と説明されていたとしても、実際には外部専門家費用など別の名目で請求されるケースや、想定以上の追加費用が発生するケースもあります。
そのため、M&A仲介契約締結前には、成功報酬のみならず、発生し得る費用項目全体を整理し、どの場面でいかなる支払義務が発生するのかを確認しておくことが重要となります。
