◆卑猥なコメントを読まされ、精神は崩壊寸前
収入は増えないのに、負担だけが膨らんでいく。そんな藍さんに追い打ちをかけたのは、ある男性リスナーとのやりとりだったと打ち明ける。「配信プラットフォームの規約で、わいせつ表現は厳しく管理されているんですが、それでもルールを守らない人は一定数いるんです。いちばん多いのは、『真剣な悩みがありまして……』って、真面目な相談を装って下ネタをコメントしてくる人。たぶん、私が照れながらコメントを読むのを喜んでいるんだと思います。でも、本当に不快で……。たまに、その相談にほかのリスナーが乗っかって、隠語や伏せ字でもっと過激なことを書き込んで盛り上がってしまうんです。そうなると収拾がつかなくなる。もういいやって思って、私も本音で返してしまうこともあるんですが、そういう日は配信が終わったあと、ものすごく虚しくなるんです」
こうしたストレスや連日の配信によって精神的に追い詰められ、不眠や動悸など、身体にも不調が表れはじめたという藍さん。まだ病院には通っていないが、「職場の人から、最近よく『疲れてない? 大丈夫?』と声を掛けられるようになった」と話し、近く受診することも検討しているという。
では、藍さんのように体調を崩さないためには、稼げないとわかった時点で配信から身を引くのが賢明なのだろうか。そのひとつの答えとして、「配信はユーザーとの接点づくりと割り切ることが大切」と語るのが、YouTubeでガジェット紹介やゲーム配信などで1万人以上のチャンネル登録者を誇る、光のおじさん(@hikaoji)だ。
◆“配信鬱”はゲリラ配信で防ぐ

「配信をやるときに気をつけているのが、配信時間を予告したり固定しないことです。私の場合は、夜中に料理やゲームをする配信が中心で、同時接続で見ているのも20人ぐらい。広告収入としては数十円ですが、楽しく配信ができるし、ユーザーと交流する場作りとしては成功しているんじゃないでしょうか」
また、誹謗中傷やマナーの悪いユーザーへの対処についても、ただ我慢するのではなく、相手を理解した受け答えが有効だと語る。
「たまに、心ないコメントや荒らし行為を受けることはあります。でも、そういう時は『こんな20人ほどしか見ていない配信に、わざわざそんなことを言いに来たんやね』と返します。それでもここに来るということは、実生活でよほどうまくいっていないか、もう色々限界なんだろうなと。そういう“かわいそうな人”として相手を見るようにします。こちらが怖がったり怒ったりせずに、そういう距離感で相手をすると、まず返事は返ってこないですね(笑)」
副業として意気込む配信者と違い、光のおじさんの場合は、ゆるやかなファンづくりという感覚に近い。では、収益については一切期待していないのだろうか。
「たまに、自分の誕生日やハロウィンの日に合わせた配信をすると、ユーザーさんが気前よく投げ銭をしてくれることもあるんですけど、あえて『投げ銭なんかしなくていいんだよ』って呼びかけたりします(笑)。そういう雰囲気になって、観に来てくれる人が減るのがイヤなんで。収益については、配信の投げ銭で稼ぐというよりも、ガジェット紹介の動画の方でボチボチ稼げればいいかなという程度ですね」

