筆者は長年FP相談を通して、多くの方の「お金への不安」に接してきました。「金融資産が少なくて不安」という人もいれば、収入や資産形成も十分で、周りから見ると豊かな生活を送っているにも関わらず「もっとお金を貯めておかなければ」と焦燥感に駆られる人もいます。
お金を上手に貯めたり使ったりするには、お金の知識を身に付けることと同じ位メンタル管理が重要だと感じます。どうすれば過度なストレスや不安を抱えることなくお金とうまく付き合っていけるか。FPとしての経験から、アドバイスをしていきます。
「不安」を持つのは悪いことではない
20代女性の場合、「結婚したい」「結婚する予定がある」という人よりも「結婚せず1人で生きていきたい」という人の方が、老後資金や老後の医療・介護などについて不安を感じ、FPへの相談に至るケースが多いです。元気なうちはしっかり働いて好きな趣味や旅行などを楽しむというライフプランを描けても、老後、特に介護が必要となった際は、家族がいないことが不安を助長するようです。
筆者がこれまでの人生で一番大きな不安を感じたのは、会社を辞め、20代でFPとして独立した時でした。安定した収入が無くなり、自分でオフィスの賃料や経費をすべて負担することになり、未来を想像すればするほど不安は増幅していきました。ただし、未来が不確定なのは誰しも同じなので、「多少なりとも不安を感じることは正常なことだ」と割り切るのも一つの方法です。
視点を変えれば、不安を感じるからこそ何か対策をしたり、学んだり、努力したりといった行動に繋がるとも言えます。何の不安も感じずにある日突然大変な状況になるよりは、むしろ日々不安と向き合いながら生きることは決して悪いことではないと思います。
不安を助長しないSNSとの向き合い方
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お金の不安とはある程度上手に付き合えればいいのですが、過度に感じてしまうのは避けたいものです。要因の一つとしてSNSの影響もあると言われています。日々不安を煽るような投稿や広告が数多く流れてきますし、友人や知人の充実した投稿を目にすれば、自分の劣っている部分に目が向いてしまいがちです。SNSは便利なツールである一方、触れ続けることで知らず知らずのうちに焦りや不安を助長させてしまうこともあります。
最近は動画投稿サイトの動画でお金の情報収集や学習をしている人も多く、FP相談に来る人のほとんどが何らかの動画に影響されて「このままではダメだ。投資や積立などをもっとやらなければ」と口にします。さらに「他の人はどのようにお金の管理をしていますか?」「一般的な20代の人と比べて私の貯蓄額は多いですか?」と他人や平均と比べて、自分の状況を確認する人も少なくありません。
SNSでしばしば話題となる「FIREをした人」の発信に多く触れているような人は、羨望に加え、自分自身の今現在の生き方や働き方への疑問、そして将来への不安を抱えてしまう印象があります。
気持ちはよく分かりますが、私たちは一人ひとり置かれている環境が違いますし、これから歩む道も違います。SNSとは程よい距離感を保ちながら有益な情報を仕入れるツールと割り切って参考程度に活用したいところです。