◆芸能活動に終止符を打ち、寿司屋に就職
――それからの芸能活動は?月野:人気のドラマに出演して、達成感を感じてしまったのも事実です。劇団のマネージャーさんがいっぱいオーディションの話を持ってきてくれたのですが、全然受からなくて。何が悪いんだろうって落ち込むことばかりで、そこからは劇団のレッスンからも足が遠のいてしまいました。その後に1回、高校生になって深夜番組で毎週やっていた短編もの恋愛ドラマに出演したのですが、それが最後でした。高校生になると、やっぱり部活もあるし、アルバイトもあるし。それに彼氏もできてプライベート優先になっていました。結局、芸能活動は自然消滅みたいな形になりました。
――ただ、高校を卒業するとなれば、進路を考えなくていけなくなりますよね。
月野:そうですね。就職をどうするかという現実的な問題を突きつけられて、もうそこで完全に区切りました。人気ドラマにも出演できたし、素敵な思い出もできたからって自分を納得させたんです。それで高校を卒業すると、親の紹介でお寿司屋さんに就職しました。両親が料理人だったので、私もそっち関係に進みたいなと思って。ホールでの仕事です。見習いとして雇ってもらったのですが、すぐに「私、お寿司が好きなわけじゃないよな……」と考えてしまったんです。
◆その後は、キャバクラで勤務し、結婚に至る
――寿司店の仕事には、なかなか打ち込めなかった。月野:そうですね。もう数日すると出勤をしなくなって、そのままずっと休むようになりました。親にも怒られて、謝りに行って辞めさせてもらいました。そこからは上野のキャバクラで働くことになります。もともと田舎育ちということもあって、歌舞伎町や池袋は怖いイメージがあったんです。それで、やっぱり上野の居心地がいいなって決めたんです。キャバクラではお客さんといろいろな話をするのも面白かったですよ。成績については、在籍人数が多い店でしたが、私はだいたい10位以内には確実に入っていました。調子のいいときは5位くらいまで上がることもありました。
――キャバクラでは、どんなキャラだったのですか?
月野:面接のときに、「君は小林ひとみだね」って言われたんです。だから、「ああ、私はセクシー担当なんだな」と思って(笑)。とにかく露出を意識していました。全然いやではなかったですよ。自分のことを、ちゃんと女性として見てもらえているんだという感覚でうれしかったです。
――ただ、楽しくやっていたキャバクラも辞めてしまうことになる。何が原因だったのですか?
月野:20歳くらいのときです。店の黒服と付き合うようになりました。彼はとても優しい人でした。もともと彼は店の寮に入っていて、私はそこに転がり込むような形で一緒に暮らしていました。ただ、黒服とキャバ嬢の恋愛は禁止されているので、交際を続けるためには、もう逃げるしかないという感じで、店には何も言わず引っ越し先を決めて出ていきました。その後、彼と新しい生活を始めることになります。一緒に暮らしているうちに子どももできて、結婚しました。ただ、結婚生活は長くは続かず離婚することになります。そして、その離婚をきっかけに保険の外交員の仕事に就いたんです。

