◆“若さの街”で49歳ホストはどう戦うのか
歌舞伎町は若さが価値になる街だ。当然、49歳という年齢を意識する瞬間は少なくない。「毎日ありますよ(笑)」
伯爵は即答した。
「送り指名も飲み直しも若い子に持っていかれますからね。心折れそうになって、一人で泣いてる時もありますよ。本当に」
49歳のホストが、一人で泣く。物悲しい姿はテレビの中の伯爵とどこか重なる。
「俺はこんな歳で何してるんだろうって思いますよ。自問自答しながらです」
とはいえ、そのまま終わらないのが伯爵らしい。
「だったら49歳を武器にした方が面白いじゃないですか」
若さで勝てないなら経験で勝負する。それが今のスタンスだ。
「若い頃は自分を見てほしかった。でも今は相手を見る余裕がある」
最近は「癒やされる」「話すと落ち着く」と言われることが増えた。
「若い頃だったらイラッとしてたことも、今は全然イラッとしないんですよ」
ホストとしての武器は変わった。だが、武器そのものがなくなったわけではない。
◆TikTok時代の歌舞伎町に立ち向かう
伯爵が売れていた時代と今の歌舞伎町は大きく違う。「昔は外で声をかけたり、生の距離感で気に入ってもらう感じでした」
しかし今は違う。
「会う前から勝負が始まってるんですよ」
TikTokやInstagramを通じて、客は来店前からホストを知っている。地方の女性がTikTok一本で歌舞伎町へ来て、数万円、時には数十万円を使う。
「本当にすごい時代ですよ」
一方で、伯爵はSNS万能論には懐疑的だ。
「SNSで人気になる力と、人を幸せにする力は別だと思うんです」
どれだけフォロワーがいても、実際に会った時に「また会いたい」と思われなければ意味がない。
「最後は人間力ですよね」
だからこそ、自身もSNSに挑戦している。
「最初は抵抗しかなかったです(笑)」
49歳でTikTok。昔の自分なら絶対にやらなかったという。
「でも生き残るには変化しなきゃいけない。持つべきプライドと捨てるべきプライドがあると思うんです」
年齢を言い訳にした瞬間に終わる。そう考えている。

