共働き夫婦の盲点──妻が夫に払う"逆転ケース"も
年金分割というと「夫から妻へ」というイメージを持つ人も多いかもしれません。実際、全体としてはそのようなケースが大半です。
ただし、近年は共働き世帯が増え、妻の方が高収入というケースも珍しくありません。その場合は、妻から夫へ厚生年金記録を分割することになります。つまり、年金分割は妻がもらう側だけではなく、分ける側になることもある制度ということです。
婚姻5年と婚姻20年──老後の年金はいくら変わるのか
では、実際に年金分割で受給額はどの程度変わるのでしょうか。
ここでは、細かな要件は考慮せず、夫の年収700万円、妻は婚姻中は専業主婦、その前後は年収300万円で働くとして試算します。

婚姻5年の場合は、夫の厚生年金記録の一部が妻へ分割されることで、妻の年金額は月額約8000円増える計算です。一方、婚姻期間が20年では月額約3万2000円増えます。このように、婚姻期間が長いほど分割対象となる厚生年金記録が増えるため、年金額への影響も大きくなることが分かります。
なお、今回の試算では、妻の「分割前」の年金額が、婚姻5年と20年で異なっています。これは、婚姻期間が短いケースでは、離婚後に長期間会社勤めをし、自身で厚生年金に加入している期間が長くなると設定しているためです。