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「やったもん勝ちじゃないか」SNS大荒れ…函館記念で小林美駒騎手はなぜ降着にならなかったのか

「やったもん勝ちじゃないか」SNS大荒れ…函館記念で小林美駒騎手はなぜ降着にならなかったのか

◆危険騎乗より「着順」を重視する現行ルールへ大転換

 ところが2013年、大きなルール改正が行われた。裁決の基準は、「危険だったか」ではなく、「妨害がなければ着順は入れ替わっていたか」へと変更されたのだ。危険行為そのものではなく、競走結果への影響を重視する考え方へ舵を切ったのである。

 その結果、降着件数は激減。ルール改正前は年間20~30件だった降着は、ルール改正後の約10年間で20件余りしかない。数字だけ見ても、裁決の考え方が大きく変わったことが分かるだろう。

 今年の函館記念の裁決自体も現行ルールに照らせば一貫した判断だった。小林美騎手の騎乗は危険と認定されたが、妨害がなければ着順が入れ替わったとまでは認められなかった。だから降着にはならず、騎乗停止だけが科されたのである。

 実は前日の福島2Rでも審議のランプが点灯していた。進路妨害を受けたとして江田照男騎手が異議を申し立てたものの、これが退けられ、加害側の坂井瑠星騎手には過怠金だけが科された。2日続けて「危険性は認めるが着順は変えない」という現行制度の考え方が示された格好だ。

 もちろん危険騎乗にも問題があるが、より注目を集めたのはルールの方だ。今回の裁決は、あくまでも現行ルールに忠実に則っただけ。だからこそ、本当に現在の降着制度が最適なのかという議論が残った。


◆「やったもん勝ち」という印象をファンに与えてしまったワケ

 競走結果を尊重することと、危険騎乗を抑止することは、本当に両立できているのか。現行制度は「競走結果」と「騎手への制裁」を切り離し、着順は着順として守り、危険騎乗は騎乗停止や過怠金で処分する。その考え方には合理性もある。

 一方で、「危険な騎乗だった」と認定されながら勝利も賞金もそのままという現実が、「やったもん勝ち」という印象をファンに与えてしまうのも事実だろう。

 無論、大半の騎手はそんな発想で手綱を取っているわけではない。命を預け合う世界である以上、そのリスクを誰より理解しているのは騎手自身だからだ。

 それでも、勝負どころでは紙一重の判断を迫られる。G1の最後の100mともなれば、一瞬の判断で無理やり馬群を割るような場面も少なくない。だからこそ、制度には強い抑止力が求められる。

配信元: 日刊SPA!

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