私たちは「数字」の裏にある「論理」を見ているか?
結論をいえば、日本の行政事業レビューは、私たちが夢想する「科学的な正解を自動的に示してくれる仕組み」ではありません。
「3本の矢」の役割分担を踏まえれば、厳密な科学的分析は第1・第2の矢に委ね、この第3の矢(レビュー)は、官僚が自らの政策を論理的に語り直すための「対話と学習の場」として割り切って活用すべきものです。
私たちは、政策評価を数字だけに委ねてはいけません。数字はあくまで、論理を補強するためのパーツにすぎないからです。大切なのは、数字という“盾”の裏側にある、「この政策が、どのように社会をよくするのか」という納得感のあるロジックが通っているかどうかです。
不完全な「数字」に一喜一憂するのではなく、その裏にある「物語の妥当性」を厳しく、かつ建設的な目で見極めていくことが、私たちが「エビデンス」という言葉に真に込めるべき願いではないでしょうか。
岸田 康雄
公認会計士/税理士/行政書士/宅地建物取引士/中小企業診断士/1級ファイナンシャル・プランニング技能士/国際公認投資アナリスト(日本証券アナリスト協会認定)
