家計への影響――年間6万円の負担増
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では、この物価上昇は実際の家計にどのような影響をもたらしたのでしょうか。4人家族で月間10のコメを消費する場合、価格差が5あたり約2,500円だとすると、月額約5,000円、年間約6万円の負担増となります。
コメだけではありません。卵、乳製品、小麦粉などの日用食材の値上げが相次ぎました。コンビニおにぎりは120円から150円に、学校給食の米のコストは1食あたり14円増加。外食産業も原価上昇を理由に次々と値上げに踏み切り、結果として家計全体に次々と物価上昇が襲いかかりました。
なぜ賃上げが物価に追いつかないのか
春闘で5%の賃上げが実現すれば、月収30万円の人なら月1万円程度の増加が期待できます。一見すれば、家計への負担増をある程度相殺できそうに見えます。しかし、現実はそう簡単ではありません。
まず、賃上げは全員に等しく訪れるわけではありません。大企業と中小企業では賃上げ率に1%程度の差があり、業種による差も存在します。自営業やフリーランスの人々には直接的な賃上げはありません。
また、物価上昇は賃上げを考慮しない形で進行します。食料品価格は、企業の人件費上昇を理由に価格転嫁されます。つまり、「賃上げがあるから物価も上がる」という悪循環に陥っているのです。
政府の物価高対策で電気・ガス代補助が延長される一方、食料品の価格転嫁は一巡し、企業の値上げ圧力は依然として高い水準にあります。
統計上は「4年連続マイナス」という数字ですが、その背景には、多くの家庭が抱える根深い不安があります。毎月の生活費が増える一方で、手に入るお金は物価上昇ペースを下回る。その差分は、貯蓄の取り崩しか、消費の削減かのいずれかで埋め合わせるしかありません。
特に影響を受けるのは、低所得世帯です。家計支出に占める食費の割合が大きいほど、食料をはじめとした生活必需品の値上げダメージが大きくなります。