◆「ホストクラブツアー」や各種SNSで集客

「その頃は、外国人への集客をやっているホストってほとんど見つからなかったんですよ」
きっかけはシンプル。英語が話せたからだ。
「英語で接客できるホストは本当に少ないです。今働いている店でも僕だけですね」
集客の方法は、観光メディアに「ホストクラブツアー」を掲載したり、友人の紹介もあったりする。最近では飛び込み来店も増えた。
「月に5人ぐらいはいますね」
Lillionが路面店であることも影響している。外国人観光客が店の前を通りかかり、「ホストクラブってここ?」と入店するケースも少なくない。中にはダンスクラブと勘違いして入ってくる人も。歌舞伎町を歩く外国人にとって、ホストクラブはまだまだ未知の存在なのだ。
一方で、SNSの影響も大きい。ホスト業界では今、中国のSNSである「RED(小紅書)」を活用するホストも増えている。
翠嵐もこう話す。
「中国のお客さんがREDを見て指名しに来るなんて話はよく聞きます」
TikTok、Instagram、RED。
ホスト業界もまた、SNSを中心に回る時代へ変わりつつある。
◆“公立進学校bot”から歌舞伎町へ
翠嵐にはもう一つの顔がある。Xで約2万8000人のフォロワーを持つ「公立進学校bot」の運営者だ。このアカウントは翠嵐が地理が好きな一面から開設された。
「全国にある国公立の学校には、地域ごとに特性があるんですよ」
公立進学校botは教育系アカウントとして知られ、全国の高校受験事情や進学校情報を発信している。ホストとはあまりにもかけ離れた肩書きだ。意外なことに、そのフォロワーも来店することがある。
「公立進学校botを見て指名してくれる人はいます」
高校時代からアカウントを見ていたフォロワーが成人し、実際に店を訪れるケースがあるそうだ。さらに親世代の来店もあるのだとか。
「教育ママやパパが進路相談をしに来店されることもあります(笑)どこの学校を受験したらいいか?などの話をしながらお酒を飲むんですよ」
受験の話をしながら酒を飲む。一般的なホスト像からは少し想像しにくい光景かもしれない。だが、それこそが翠嵐の個性だ。
英語が話せる。
教育にも詳しい。
男性客の指名も、他のホストに比べれば多い。
ホスト業界の中でもかなり異色の存在であることは間違いない。

