M&Aを「成功させる経営者」と「失敗する経営者」の決定的違い――M&Aトラブル予防の超キホン【M&A弁護士が解説】

M&Aを「成功させる経営者」と「失敗する経営者」の決定的違い――M&Aトラブル予防の超キホン【M&A弁護士が解説】

「専門家がいるから安心」「説明を受けたから問題ない」ではダメ

M&Aトラブルの実務を見ていると、M&Aに成功する経営者と、M&A後に深刻なトラブルへ巻き込まれる経営者との間には一定の傾向が見られます。

M&Aに成功する経営者は、「M&A仲介業者が進めてくれるから大丈夫」と考えるのではなく、自らM&Aの基本構造やリスクを学ぼうとします。そして、M&A契約内容、リスク配分、支払条件などについて、自分自身で理解した上で意思決定を行います。

これに対し、M&Aトラブルに発展するケースでは、「専門家がいるから安心」「説明を受けたから問題ない」と考え、M&A契約構造やリスクを十分に理解しないまま進行してしまうことがあります。

特に中小企業のM&Aでは、売主が初めてM&Aを経験する一方、買主やM&A仲介業者は多数の案件経験を有していることも少なくありません。そのため、知識や経験の差が、そのままM&Aの交渉力やリスク認識の差につながることがあります。

経営者が学ぶべきM&A知識体系と実践方法

中小企業の経営者がM&Aを進めるにあたっては、最低限、次のような知識体系を理解しておくことが重要となります。

まず、M&A契約の基本構造です。特に、株式価値評価、表明保証、コベナンツ、価格調整条項、アーンアウト条項、デューデリジェンスなどは、M&A後のトラブルと直結しやすい項目となります。

次に、M&A仲介業者の利益相反構造や、M&A仲介契約の内容について理解しておく必要があります。成功報酬体系、テール条項、責任制限条項などを十分に理解しないままM&A仲介契約締結を行うと、後にM&A仲介手数料トラブルへ発展することがあります。

さらに、デューデリジェンスの限界についても理解が必要です。デューデリジェンスは重要な手続ですが、万能なリスク排除手段ではなく、一定の限界を前提として利用する必要があります。

その上で、M&A経験を有する弁護士、公認会計士、税理士等の専門家から独立した助言を受けることが、実務上重要となります。

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