◆「お金を貸して」直接送金へ発展した金銭トラブル

「申し訳ないんだけどさ、昨日日雇いバイト行った先に財布忘れちゃってまじ手持ちない状態だからちょいお金貸してほしいんよね。明日か明後日取りにいくときに返すから(土下座の絵文字)」(検察側書証より)
これを皮切りに、高野被告は金銭を無心されるたびにATMに赴いては、現金を佐藤さん名義のゆうちょ銀行口座に振り込んでいた。
「携帯代金の支払いができない」「具合が悪くて吐血もして仕事を辞めてやり直したい」——。
理由は様々だったが、計13回にわたり、254万4800円にも及んだ。
配信サイトを介さずに、直接金銭のやり取りをするようになった高野被告。約255万円の大金は、貯金をはたくだけではなく、消費者金融に高野被告名義で借金をして工面したという。
◆民事訴訟でも返済されず…復讐心が殺意へ変わるまで
<22年11月には、高野被告は佐藤さんに返済するように求めた。翌23年1月には、3万円を返済してきたが、その後返済されることはなかった。同年8月には、高野被告は金銭の返還を求める民事訴訟を提起した>(検察側冒頭陳述の要旨・以下同)高野被告はついに法的手段をとって出たのだ。裁判所は、高野被告の主張を認容して、佐藤さんに金銭の返還を命じた。佐藤さんの預金口座も差し押さえたが、残高はわずか「161円」。当然だが、これまでの借金の総額に満たなかった……。
「お金を返してもらうのは諦めた。復讐だけしたい」。知人にこうLINEでメッセージを送った高野被告は、殺害計画に動きはじめる。
<翌24年12月、「Amazon」でナイフを1本購入した。本件犯行の凶器になった。翌25年2月には、同じくナイフを1本購入した>
知人に再度、犯行をほのめかすように「あいつには苦しんで欲しい」とLINE。そんな高野被告は、佐藤さんの「明日山手線1周」というタイトルの生配信を視聴し、翌日の殺害を決意したとされる。
<犯行当日は、早朝に自宅を出て電車で東京に向かった。午前8時30分頃に配信を開始した佐藤さんは「高田馬場に向かう」旨、発言した。高野被告はその配信を視聴して、高田馬場の路上で待ち伏せし、本件犯行に及んだ>
殺害の瞬間も生配信におさめられていた。
「おい!何やってんだよ!」(通行人の声)
検察側は続けて「復讐だけしたい」と吐露していた高野被告は、犯行後に「血だらけの佐藤さんを撮影し配信」したと述べた。

