夜間警備で社会復帰
Aさんは考えを改め、夜間警備の仕事を始めました。妻とは生活時間のズレがあるため、相変わらず息子の部屋で寝ていますが、できるだけ自分から前向きに会話をするように努め、休みの日は妻を誘って一緒に出掛けるように。また、かつては妻任せだった家事も、できる限り進んでやるように役割を買って出ています。自分の姿勢を変えたことで、ただ時間をやり過ごすためだけに図書館へ逃げ込む必要もなくなりました。いまでは、妻の口から別れ話が出ることもありません。
「現実から目を背け、ただ無料の空間に座り込んで時間を潰していたころの自分を思い出すと、あのままでは本当に自分は終わっていたな、と感じます。考えると妻に甘えていたような生活でした。夫婦生活を続けるにも努力が必要ですね」
そう語るAさんの表情には、社会との繋がりを取り戻した充実感が漂っています。
「先日、皿を洗っていたら妻が『ありがとう』といってくれたんです。僕も『いつも食事を作ってくれてありがとう』といいました。妻に『ありがとう』なんていったのは新婚以来かな」と笑って答えてくれました。
川淵 ゆかり
川淵ゆかり事務所
代表
