◆勝敗を分けるカギは「ストライク率」
とはいえ、この摩訶不思議なデータから見えてくるものもある。佐々木が本塁打を浴びた試合の中には、四球を恐れてストライクゾーンから逃げるのではなく、自分の球で打者に向かっていった登板も少なくない。その傾向を表しているのが、試合ごとのストライク率である。
ロッキーズ戦では78球中56球がストライクで、ストライク率は71.8%に上った。今季、佐々木のストライク率が70%以上だった試合で、ドジャースは4戦4勝となっている。60%台では4勝3敗、60%未満では5戦全敗と、わかりやすい傾向が残っている。
この数字だけで勝敗を佐々木一人に結びつけることはできないが、ストライクを先行させられた日は投球のテンポが良くなり、余計な走者を背負う場面も減る。少なくとも、ゾーン内で勝負できているかどうかは、試合を作るうえで重要な指標になっているのではないだろうか。
この日の初回は、その象徴だった。6球すべてストライクで相手の攻撃を終わらせると、直後に味方が3点を先制した。先発投手のテンポだけで得点が生まれるわけではないが、野手が守備から攻撃へ気持ち良く移れる流れは、決して無視できない。
◆「被弾を恐れず攻める姿勢」が今後の課題に
一方、佐々木が苦しむ日のパターンもわかりやすい。ボールが先行して走者をため、カウントを取りにいった球を痛打される。どれだけ球威があっても、四球で自ら球数を増やせば、長いイニングを任されるのは難しくなる。ロッキーズ戦の2被弾は、間違いなく修正すべき課題である。それでも、全体ではストライクを先行させ、四球は1つだけ。3点差を追いつかれた直後のピンチをしのぎ、6回まで投げ切った点には前向きな変化が見えた。
一発を浴びても構わないという意味ではない。最も望ましいのは、ストライクゾーンで勝負しながら、本塁打も許さない投球に違いない。
一発を警戒するあまりゾーンが狭くなり、四球を重ねて早い回で降板するよりは、自分の球を信じて打者と勝負する方が再現性は高い。佐々木が目指すべきは「被弾か四球か」の二者択一ではなく、攻める姿勢を保ったまま甘い球を減らすことだろう。

