◆後半戦へ求められる真の進化
今季は前半戦の折り返し地点で16試合に先発し、3勝5敗、防御率は5.33。昨季は故障離脱もあり、レギュラーシーズンでは10試合、36回1/3にとどまり、1勝1敗、防御率4.46だった。登板数と投球回を伸ばし、先発ローテーションの一角として投げ続けている点は明確な前進といえる。その一方で、防御率は昨季を上回り、ここ7登板は白星からも遠ざかっている。メジャー屈指の素材に寄せられる期待を考えれば、前半戦の数字には物足りなさが残るのも事実だろう。
佐々木自身も試合後、「数字で見たら満足いくものはもちろん1つもない」と厳しく振り返った。一方で、先発ローテーションに穴をあけず投げてきたことや、シーズン途中から直球の球速が安定してきたことには手応えを示している。
後半戦で求められるのは、単に被弾を恐れて慎重になることではない。ロッキーズ戦で示した高いストライク率を維持しながら、甘く入る球を減らし、被本塁打ゼロの登板を増やしていく必要がある。
「2被弾以上で5戦5勝」という珍記録は、あくまで途中経過にすぎない。最終的には、この数字が話題にならなくなるほど、ストライクゾーンで押し込み、なおかつ一発も許さない登板を増やしたいところだろう。
成績自体はまだ満足できる水準にはないが、この日の6回3失点には、傷を負っても試合を壊さない粘りがあった。その経験を「被弾なしの快投」へ変えられるかどうかが、佐々木の後半戦を占うことになりそうだ。
文/八木遊(やぎ・ゆう)
【八木遊】
1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。現在は、MLBを中心とした野球記事、および競馬情報サイトにて競馬記事を執筆中。

