脳性麻痺で盲学校卒の24歳、5年で750万円を親に搾取され…ハローワークで初めて気づいた「支配」の異常性

脳性麻痺で盲学校卒の24歳、5年で750万円を親に搾取され…ハローワークで初めて気づいた「支配」の異常性

◆親元を離れるも経済的支配に苦しむ

盲学校を卒業した後は、障害者雇用枠で一般就労。社員寮に入り、介護施設の職員として働き始めた。しかし、親元を離れても母親からの支配は続く。「お金を渡しても好きなものを買うだけだ」と言われ、銀行口座を管理されるように。達希さんが自由に使えたのは、帰省時の交通費程度だった。

「給料だけでなく障害年金も管理され、5年間で750万円以上、搾取されました」

生活が変わるきっかけとなったのは、転職活動を始めたことだった。2022年夏、24歳になった達希さんは当時の交際相手との将来を考え、転職の相談をしにハローワークへ。そこで生活状況や金銭管理の実態を話したところ、ハローワークの職員が家庭環境の異常さに気づき、詳しく話を聞いてくれたのだ。

幼少期から親に支配される日常が当たり前だった達希さんはこの対話を通じて、自分たちの親子関係が一般的なものではないことに気づいたという。

「第三者から指摘をされたことで、初めて客観的に自分の状況を見つめ直せたんです」

◆「家庭の外にある選択肢」を知らなかった

達希さん
就労継続支援B型事業所のお昼ごはん
2022年秋、達希さんは初めて精神科を受診。すると、今まで知らなかった障害者の福祉支援機関に繋がることができた。「助けを求めたいのに求められない」という長年のもどかしさが解消された瞬間だった。

「それまでは自分が利用できる支援制度や福祉サービスについて知る機会がほとんどなかったので、精神科の受診を機に、初めて家庭の外に選択肢があることを知りました。障害があると、どうしても生活面で両親への依存度が大きくなるので、自力で環境をリセットすることは本当に難しいです」

支援の手を借り、2023年1月、達希さんはグループホームへ入所。両親からの精神的・経済的な自立を目指し始めた。現在は週3日、就労継続支援B型事業所に通いつつ、SNSで自身の半生を発信している。

「はじめは自分の気持ちや日々の出来事を書き留めていましたが、今は自分の経験を構造的に整理して発信しています。自分の経験を社会に知ってもらいたい。そして、同じような苦しさを抱える人に『ひとりじゃない』『支援と繋がる方法がある』と伝えたいんです」


配信元: 日刊SPA!

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