飛騨の美食と夫婦で語る「これから」
夕食は半個室でいただく飛騨牛を使った会席料理。「宝楽盛」と命名された八寸は、美濃焼の器も美しく目にも華やか。メインの飛騨牛は、玄武岩焼きに加え、「ランイチ」を朴葉に包んで蒸し焼きで食するなど、さまざまな部位や調理法が登場し、「これ絶品だね」と感想を言い合うなど会話も弾みます。
説明をしてくれるスタッフは、聞けば息子と同世代。「しっかりしているね」「今ごろ研修中かな」と社会人になった息子の姿を重ねつつ、話題はかつて家族で訪れた旅の話へ。記憶のピースをふたりで埋めていくのも、特別な時間になります。
食事が終盤を迎える頃には、自然と「自分たちの将来」へと話題が移っていきました。
旅という環境だからこそ、ゆっくり肩ひじ張らずに語り合え、いざ話し始めると、決めなくてはいけないことが多いことに驚きます。
「帰宅後は、まずこれから着手しよう」と決めて、人生後半戦に向けた作戦会議を終えました。
共通の体験が、ふたりの絆を深める
食後はご当地楽「飛騨の匠体験」へ。「界」オリジナル風呂敷にあわせる「バッグハンドル」を、飛騨の曲木技術で作ります。匠についての座学の後、お湯で温めた木を工具に押し当て曲げる体験に入ります。
「これくらいでいいかな?」「力の入れ具合が難しい!」と、お互いに答えを求めるでもなく、呟きながら集中すること30分。完成したバッグを手にすると、達成感と「一緒にやり遂げた」という一体感がありました。
絶景や温泉、おいしい食事を楽しみながら、これからの暮らしや親のことなど、普段は後回しにしがちなこともゆっくり話せた今回の旅。
「紅葉の季節にも来たいね」「このバッグを持って界巡りもいいねえ」と、自然と会話は次の旅へ。
お揃いのバッグを手に、また一緒に旅へ出よう――。そんな約束を交わしながら、ふたりで歩むこれからも、少し楽しみになった夜でした。

