サルビアの栽培12カ月カレンダー
開花時期:6~12月
肥料:5〜7月、9~11月
植え付け:5月〜7月下旬
種まき:4月下旬~6月中旬
サルビアの栽培環境

日当たり・置き場所
サルビアは日当たりがよい場所を好みます。水はけがよい土壌が適していますが、乾燥はやや苦手です。強い日差しが当たり続ける場所は避けて、風通しのよい場所に置きましょう。品種によって違いはありますが、生育に適している気温は15~25℃ほどです。
耐寒性・耐暑性
サルビアの耐寒性や耐暑性は、品種によって異なりますが、耐寒温度は5℃前後と、一般的に寒さにはあまり強くありません。冬越しが難しい品種は、宿根草の性質があっても一年草として扱われます。
耐暑性には比較的強く、30℃程度なら耐えますが、暑すぎると花がつきにくくなります。
サルビアの育て方のポイント
これまで、サルビアの特性や魅力について触れてきました。では、ここからは育て方の実践編です。ビギナーでも分かりやすいように、地植え·鉢植えの管理の仕方について、詳しく解説します。
用土

【地植え】
サルビアは丈夫な性質で土壌を選びませんが、植え付け前に腐葉土や堆肥などの有機質資材を植え場所に投入し、よく耕してふかふかの土をつくっておくとよいでしょう。
【鉢植え】
草花の栽培用にブレンドされた、市販の園芸用培養土を使うと便利です。
水やり

【地植え】
植え付け後にしっかり根づいて茎葉をぐんぐん伸ばすようになるまでは、水切れしないように管理しましょう。
根付いた後は、地植えの場合は下から水が上がってくるのでほとんど不要です。ただし、雨が降らずに乾燥が続くようなら、水やりをして補います。真夏は朝かタ方の涼しい時間帯に与えることが大切です。
【鉢植え】
日頃の水やりを忘れずに管理します。土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出すまで、たっぷりと与えましょう。茎葉がしおれそうにだらんと下がっていたら、水を欲しがっているサインです。植物が発するメッセージを逃さずに、きちんとキャッチしてあげることが、枯らさないポイント。特に真夏は高温によって乾燥しやすくなるため、朝夕2回の水やりを欠かさないように注意します。真夏は昼間に水やりすると水の温度が上がり株が弱ってしまうので、涼しい時間帯に行うことが大切です。
肥料

ビギナーの場合、緩効性化成肥料を常備しておくのがおすすめです。植物への汎用性が高く、ニオイがしないため扱いやすいのがメリット。開花期に与える液肥は、開花促進を目的とした配合の製品を選ぶのがおすすめです。
地植え、鉢植えともに、5~7月と9月~11月中旬の期間は、定期的に緩効性化成肥料を株の周囲にまいて株の勢いを保ちます。鉢植えの場合は、花茎が上がってきた頃から開花が終わるまで、10日に1度を目安に液肥を与えるとよいでしょう。夏の高温期に肥料成分が残ると株が弱ることがあるので、夏は肥料を切らして管理するのがポイントです。
注意する病害虫

成長期には、アブラムシやヨトウムシがつきやすくなります。早期の対策が大切で、定植する際に土中に混ぜる粒剤タイプの薬剤を使うと効果的です。用法·用量を守って使うようにしましょう。また、真夏の乾燥期はハダニが発生しやすくなります。乾燥が続く時は、葉裏など全体に水を噴霧して防除するとよいでしょう。雑草が繁茂していたり、花がらや枯れ葉をそのまま放置したりしていると、病害虫が発生しやすくなります。こまめにメンテナンスをして、株まわりを清潔に保ちましょう。また、成長とともに茎葉が茂って込み合いすぎると、風通しが悪くなって病害虫が発生しやすくなるので、適宜枝葉を間引いてスマートな姿を保つことも予防のポイントです。
きちんとメンテナンスをしていれば、病気が発生する心配はほとんどありません。
サルビアの詳しい育て方
種まき

コンテナやハンギングバスケットに寄せ植えとして少し植える程度なら、花苗店で苗を購入するのがおすすめですが、広い敷地にたくさん植えたい場合は、種まきからスタートすると経済的です。
種まきの適期は、4月下旬~6月中旬。サルビアの発芽適温は20~25℃と高温性なので、十分気温が上がった頃に行うと失敗が少なくなります。まず、種まき用のトレイに、赤玉土とピートモスを同量ずつブレンドした土(草花用にブレンドされた培養土を使ってもOK)を入れましょう。サルビアの種子を条まきか、ばらまきにし、培養土を厚み5mmくらいかけて軽く押さえます。最後に霧吹きで水やりしましょう。種まきから10日前後すると発芽します。
発芽後は日当たりのよい場所で管理。込んでいる場所があれば、苗が徒長しないように間引きます。本葉が出始めた頃に、一度液肥を少量混ぜて水やりをし、生育を促しましょう。
本葉が2~4枚ついたら、鉢上げのタイミングです。直径6cmの黒ポットを準備し、赤玉土とピートモスを同量ずつブレンドした土(草花用にブレンドされた培養土を使ってもOK)を入れましょう。種まき用のトレイから苗の根鉢を崩さないように取り出して、ポットに植え付けます。緩効性肥料を置き肥し、最後にたっぷり水やりを。その後は、1週間に1度を目安に液肥を施して育苗します。
苗の選び方
サルビアの苗を選ぶときには、葉の色や茎の太さがポイントです。茎が太く、緑がはっきりと濃いものを選びましょう。また、サルビアは品種によって草丈が違うので、寄せ植えをする場合は草丈が高くない品種を購入するのがおすすめです。
植え付け・植え替え

サルビアの苗の植え付け適期は、6月中旬~7月中旬です。種まきから育てている場合は、鉢上げした黒ポットの底まで根が回った頃が、定植に適したタイミングです。花苗店で苗を購入した場合は、早めに定植しましょう。
【地植え】
腐葉土や堆肥などの有機質資材を投入して土づくりをしておいた場所に、植え付けます。草丈が20~30cmのスプレンデンスなどは、株間を約25cm取り、ファリナセアやコクシネアなど80~150cmに及ぶ種類は、30cm以上は取りましょう。植え付け後は、たっぷりと水やりします。
【鉢植え】
草花の栽培用に配合された園芸用培養土を利用すると便利です。鉢の大きさは、5~7号鉢に1株を目安にするとよいでしょう。用意した鉢の底穴に鉢底ネットを敷き、軽石を1~2段分入れてから培養土を半分くらいまで入れましょう。サルビアの苗をポットから取り出して鉢に仮置きし、高さを決めます。水やりの際にすぐ水があふれ出すことのないように、土の量は鉢縁から2~3cmほど下の高さまでを目安にし、ウォータースペースを取るとよいでしょう。土が鉢内までしっかり行き渡るように、割りばしなどでつつきながら培養土を足していきます。最後に、鉢底からたっぷりと流れ出すまで、十分に水を与えましょう。寄せ植えの素材として、大鉢にほかの植物と一緒に植え付けてもOKです。
日常の管理

サルビアは開花期になると花芽を次々と伸ばして咲き続けます。それぞれの花が咲き終わるタイミングはバラバラなので、終わった花穂はこまめに切り取り、株の元気を保ちましょう。
またサルビアは草花でありながら、低木のように大きく育ちます。開花期の終わり頃に、株を半分くらいの高さに切り戻し、形を整えましょう。
増やし方

サルビアは、插し芽で増やすことが可能です。挿し芽の適期は6月か9月。勢いのある茎葉を切り取り、清潔な挿し木用の培養土を育苗用トレイなどに入れて、採取した茎葉(挿し穂)を挿しておきます。摘心したり、切り戻す際に切り取った茎葉を使ってもOKです。水切れしないように管理すると、しばらくして発根するので、黒ポットなどに植え替えて育苗しましょう。株が大きくなったら、植えたい場所に定植します。挿し芽のメリットは、採取した株のクローンになることです。
種子を採取して保存しておき、翌シーズンに種まきして増やすこともできます。ただし、種子をつけると株が消耗して次々と花を咲かせなくなるので、開花期前半は花がら摘みをして長く楽しみ、そろそろ終わりを迎える頃に花がら摘みをやめて、種子をつけさせるとよいでしょう。種子がはじける頃に莢ごと採取して、よく乾燥させてから種子を取り出します。密封容器に入れて、花名と採取した日を書き入れたラベルをつけ、次の種まきシーズンまで冷暗所で保存しましょう。
サルビアが咲かない理由

日照不足
サルビアが咲かない理由としてまず挙げられるのが、日照不足です。サルビアは日当たりの良い場所を好むので、日の光が十分に当たらないと花がつきづらくなることがあります。ただし、夏の強い日差しの下では弱ってしまう可能性もあるので注意しましょう。
肥料過多
肥料過多でも、サルビアの花が咲かないことがあります。肥料が多すぎると、葉はよく茂るものの、対照的に花が咲きにくくなるので注意しましょう。肥料の量、適期をきちんと管理することが大切です。
切り戻し
サルビアは切り戻しを行うと、一時的に花が咲かなくなります。ただし、切り戻しはサルビアを形よく管理するために大切なお手入れです。また、株が成長すると花数が増えて過密になることがあるので、適度な切り戻しで風通しを良くしておきましょう。
水やり
サルビアの花が咲かない理由に、水やりのし過ぎや不足があります。水が切れたり、水やりが多すぎて根腐れを起こしたりすると、花が咲きにくくなることがあります。適切な水やりを心がけましょう。なお、根腐れを起こしてしまった場合は植え替えが必要です。
カラーも高さも思いのまま! サルビアで、秋まで花を楽しもう!

サルビアの最大の魅力は、なんといってもその圧倒的な「品種の多様さ」にあります。
たとえば、王道の真っ赤な「スプレンデンス」(草丈20〜30cm)を手前に配置し、ラベンダーに似た上品な青紫色の「ファリナセア(ブルーサルビア)」(草丈80〜150cm)を奥に植え込むだけでも、高低差と美しい色彩コントラストが効いた立体的な寄せ植えが簡単に完成します。

さらに、ピンクや白の優しいグラデーションを持つ「コクシネア」を合わせたり、葉に触れると熟した果物やパイナップルのような甘い香りが漂う「チェリーセージ」や「パイナップルセージ」を忍ばせて、五感で楽しむ鉢植えにするのもおすすめです。

厳しい日本の猛暑を力強く乗り越えたサルビアは、秋の気配が深まる頃、さらなる見頃を迎えます。昼夜の気温差が大きくなることで、花色は一段と深く、冴え冴えとした美しさへとドラマチックに変化していくのです。
初心者でも驚くほど育てやすく、初夏から晩秋まで長く庭やベランダを彩ってくれるサルビア。ぜひ、あなただけのお気に入りの組み合わせを見つけて、贅沢な寄せ植えやガーデンデザインに挑戦してみてください。
Credit 文 / 3and garden
スリー・アンド・ガーデン/ガーデニングに精通した女性編集者で構成する編集プロダクション。ガーデニング・植物そのものの魅力に加え、女性ならではの視点で花・緑に関連するあらゆる暮らしの楽しみを取材し紹介。「3and garden」の3は植物が健やかに育つために必要な「光」「水」「土」。「ガーデンストーリー」書籍第1弾12刷り重版好評『植物と暮らす12カ月の楽しみ方』、書籍第2弾4刷り重版『おしゃれな庭の舞台裏 365日 花あふれる庭のガーデニング』(2冊ともに発行/KADOKAWA)発売中!
