「資産寿命の見える化」で、相談者の表情はパッと明るく…
――先生がお客様の相談を受ける際、最も重視しているのはどのようなステップですか。
小林:
現在の資産とこれからの生活費をシミュレーションし、自分の「資産寿命(お金が何歳まで持つか)」を見える化すること、つまり「ライフプランニング」です。
実際にこれを行うと、多くの相談者の方の表情が劇的に明るくなります。「今の生活を続けていても、資産は減るどころか増えていく」などといった未来が見えることで「体が動く元気なうちに、安心してお金を使おう」といった気持ちになるからです。
逆に、シミュレーションの結果、「自分の命の寿命より前に、資産が尽きてしまう」という厳しい現実が発覚することもあります。しかし、それも若ければ若いほど、固定費の見直しや働く期間の延長といった「事前の対策」を打つことができます。
どちらにしても未来を正しく知ることは、これからの人生をより安心な、より充実したものにするために不可欠な作業なのです。
利益相反のない「信頼できる相談相手」の見分け方
――ライフプランニングを専門家に相談したい場合、どのような基準で相手を選べば良いでしょうか。
小林:
最も大切な基準は、「無料の相談窓口には行かないこと」、そして「利益相反(りえきそうはん)の関係がない相手を選ぶこと」です。
日本には「相談にお金を払う」という文化があまりなく、「無料相談」を当たり前のものと考える人が多いのです。しかし、無料の相談ブースの場所代や人件費がどこから出ているかを考えてみてください。彼らは、あなたに保険や投資信託などの商品を売ることで、そこから発生する手数料をもらうビジネスを成り立たせています。
つまり、「あなたに不要な商品であっても、手数料が高いものを売った方が儲かる」という構造的な利益相反が起きているのです。そんな構造の中で、あなたの未来を一番に考えたアドバイスが得られるでしょうか。
私が以前お会いしたお客様で、非常に適切に選ばれた金融商品と、「これはちょっと…」と考えてしまうような金融商品をそれぞれ持っている方がいました。どちらも同じ担当者から異なるタイミングで購入した商品なのですが、適切なほうは「あえて相談料を払って教えてもらったもの」で、もう一つは「無料相談時に勧められたもの」ということでした。お客様が自ら利益相反の関係性を崩したという珍しい事例です。
本当に信頼できる相手を探すなら、少々ハードルは高く見えても、「商品の販売・仲介をしないFP」にお金を払って相談するのが、結果として最も安上がりで確実な方法だと思います。
