
最近、手書きの日記が人気を集めています。文章だけでなくイラストを描いたり、シールをペタっと貼ってひとこと添えたり、自分の好きなスタイルで楽しめるのも魅力です。
今日の嬉しかったことからモヤモヤまで書けば心が軽やかになる、日記を習慣にしてみましょう。
この方に聞きました!
公認心理師
柳川由美子さん
公認心理師、臨床心理士、不安専門カウンセラー。パニック、うつ、不安などを根本から改善するプログラムを提供。著書に『不安な自分を救う方法』(かんき出版)、『晴れないココロが軽くなる本』(フォレスト出版)、新刊『がんばりすぎる親の心を休ませる 子育ての不安と孤独をほぐす心理学(』実務教育出版)が発売予定。
書いて見える化することで心が整う日記の効果
デジタル全盛の時代に、あえてアナログな日記が人気を集めています。日記を書くことにどんな効果があるのか、公認心理師として様々な患者に向き合ってきた柳川先生に伺いました。
「日記を書くことが心身の健康によい影響をもたらす、というデータは多く発表されています。ポジティブサイコロジー(辛さをなくすだけではなく、自分らしく、心地よく生きるにはどうしたらいいかを研究する心理学)では、感情を切り替える方法の1つとして〝書くこと〟があります。
私がケアの一環として勧めてきた日記は、『今日よかったことを3つ書いて、なぜそれがよかったのかを書いていく』というもの。ポジティブな感情を引き出して、脳の回路を嫌なこと探しからよかったこと探しに切り替えていくのです。
日記を書いたあとに、読み返す時間を作るのも効果的です。『今日は楽しかったな』とか『いいことを発見できたな』など、書いたことを声に出して、そのときの感情に浸る時間も大事です」
日記に限らず、書くことには「漠然とした不安や悩みを見える化する」という効果があり、そのことが問題解決の糸口になることが多いと柳川先生は話します。
「真面目な人ほど、不安や悩みを抱えるとそこから抜け出せなくなるので、書いて見える化することで整理することができます。不安や悩みをすべて書き出して、どう対処していくか、今できることはなにかを書いて明白にします。また、大学生のカウンセリングをやっていたときは、タスクが多くて何からやるべきか悩んでいる学生が多かったので、やるべきことを全部書き出してから優先順位をつけていくことを勧めました。書くことで、モヤモヤしていた頭の中をクリアにできるのがいちばんの利点だと思います」
更年期世代には感謝日記がおすすめ
では、心身ともに不調に陥りがちな更年期世代におすすめの日記とはどんなものでしょうか。
「ゆらぎを感じる世代の方は、週一回でいいので感謝日記を書いてみるといいでしょう。感謝の記録をとると、ポジティブな感情が増加するという※エビデンスもあります。更年期のときは、小さなことにイライラしたり、過去の嫌なことや将来の不安にばかり意識が行きがちです。
でも、感謝を書き続けていると、『家があるってありがたいな』『ご飯が食べられるってありがたいな』など、当たり前と思っていたことに感謝の気持ちを持てるようになり、不思議と心が落ち着いていきます」
※感謝日記の効果を示したエモンズとマクロスキーの研究(2003)より
柳川先生も書いているよかったこと日記
先生自身も続けている、「今日よかったことを3つ書く」日記。
よかったことを3つ書いてから、「今日の自分へ」で自分を褒める・ねぎらう言葉を書いて締めくくります。
手書きの日記は睡眠の質を高める
三菱鉛筆株式会社が慶應義塾大学との共同研究にて、「手書きの日記が睡眠の質に与える影響」について実験を行いました。
その結果、手書きで日記を書くことが、深く良質な睡眠をうながし、疲労感軽減や認知機能の向上にも効果が期待できるということがわかりました。

