◆「洗脳だと思うんです」——強い女性像への本音

黒木:洗脳だと思うんです。
——洗脳?
黒木:若い時からこの仕事をさせていただいていて、みんなに強い女だと言われてきたので、周りも、自分自身でも「そうあろう」と自己暗示でそうなっているのかもしれません。
——なるほど、周囲も自分も含めた、いい意味でのもはや「洗脳、自己暗示」でもあると。
黒木:かもしれないです。“こうあらなきゃ”みたいな意識が、若い時はしんどかったりもしましたが、今はそれも楽しいというか。そこに乗っかっちゃおうみたいな感じです(笑)。今回の八神瑛子という人物も、私自身、“いろんなものを抱えながらも強く生きている女性像”みたいなものがすごく好きなので、こうした役を演じられることも嬉しかったですね。
◆「共通認識を持てる現場」を目指して
——大勢のスタッフ・キャストと関わっていくお仕事です。大切にしていることを教えてください。黒木:それぞれの部署にその道のプロがいます。今回の作品もそうですが、衣装に関してもヘアメイクに関しても、基本的には全体的にお任せして、それぞれのプロ目線からの瑛子像に乗っかってやらせていただいています。そしてその分、自分は自分の役割に集中していく、お互いに尊重し合って作品を作っていくのがすごく素敵なことかなと思います。
——特に印象に残っている先輩の言動を教えてください。
黒木:たくさんいらっしゃるので、難しいんですけど。20歳ぐらいの時に中井貴一さんとご一緒させていただきました(『風のガーデン』)。作品への向き合い方など、すごく刺激になりましたし、親子役だったというのもあるのですが、現場で常に隣にいてくださって、すごくありがたかったです。
——理想とする「主演像」はありますか?
黒木:一つの作品を本当にすごい大人数で作っているので、「私たちが向かっているのってここだよね」という共通認識を持てるような現場が理想的です。そのためにも、コミュニケーションを自分から積極的に取って、キャストだけでなく、いろんな部署といろんなコミュニケーションを取っている主役の方を見ると、とても素敵だなと思います。やはり監督や主役の方の出す空気感というものが、現場の空気も作っていると思います。自分はまだそこまでできていないのですが、活かせるようにしていきたいと思っています。
<取材・文・写真/望月ふみ ヘアメイク/中野明海(Nakano Akemi) スタイリスト/亘つぐみTW>
【望月ふみ】
ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画周辺のインタビュー取材を軸に、テレビドラマや芝居など、エンタメ系の記事を雑誌やWEBに執筆している。親類縁者で唯一の映画好きとして育った突然変異。X(旧Twitter):@mochi_fumi

